この記事は、新歓ブログリレー7日目のものとして書かれました。
はじめに
ライトノベルや漫画を読んでいても、古典文学の引用といったものに出会うことはあまりありません。
今回は、エロゲーやって、今まで触れなかった世界を知り、その魅力に気付いたっていう話をします。
哲学
元から哲学には興味がありました。高校生のときに入門書や原著を読もうとしましたが、やっぱり難しくて挫折しちゃいました。要は、この哲学者の本をよく読むとか、そういうのがない内に飽きてしまったんですね。
でまぁ、もう哲学なんてもう学ぶことないだろうなと思っていたんです。
そんな時にケロQ『素晴らしき日々~不連続存在~』(以下「すばひび」)を遊んで、また哲学やりたくなったわけです。
「すばひび」を遊んでウィトゲンシュタイン哲学に触れた人は多いのではないでしょうか。
「すばひび」の影響で『論理哲学論考』や、野矢茂樹の『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』を読みました。
「すばひび」のライターであるSCA-自氏のTwitterを漁っていれば、他にどういった本を読めばいいかもわかる。彼をブックガイドにして、色々学ぶことができるわけです。おかげさまで積読が増えていく一方です。
久々に哲学したくなってきたので、高校時代に読んでみたかった構造主義の本とか読もうかなとか、最近は考えています。
詩
古典文学とか新書とか、要は固い文章を読むのもまぁまぁ好きです。シェイクスピアや、「すばひび」でも引用される『シラノ・ド・ベルジュラック』といった作品に代表される詩劇というジャンルもまぁまぁ好き。それでも詩だけは、さっぱり理解できなかった。
だけど、エロゲーで引用されたらなんだか良い風なものに思えるんですね。
ウグイスカグラの『紙の上の魔法使い』のある個別√では、中原中也の『春日狂想』が引用されます。その引用が気持ちいい。個人的にウグイスカグラのライター、ルクル氏は引用の名手だと思っていて、彼の引用は的確、物語が多重に響くものを選びます。
『冥契のルペルカリア』でもその引用の手腕は光っています。
彼の引用する中原中也の詩が綺麗なもので、詩集買っちゃったりとか。そんなわけで、今まで理解できなかった詩の良さをちょっとだけ理解できたわけです。
全く知らなかった世界を知ることができる嬉しさがありました。
余談:宮沢賢治ってオタクの必修科目なの?
宮沢賢治の作品はエロゲーに限らずよく見かける気がします。『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-』ではガッツリ『春と修羅』が主題となり引用されています。それほどの比重で扱ってなくとも『白昼夢の青写真』では、『やまなし』に出てくる「クラムボン」が出てきて、OPのタイトルになっていたり。
『ワガママハイスペック』の桜木√では、『銀河鉄道の夜』を演じたり。
そう、この『銀河鉄道の夜』ってのは本当によく見る。
とある新作漫画でも宮沢賢治を大きく扱っており、本当によく見かける作家だなと感じました。もしかして、宮沢賢治ってオタクの必修科目なんですか?
おわりに
エロゲーやってたら、気付いたら色んな本を読むようになってた。まさか自分がこんな風になるなんて。もしかしたら、今はまったく触れていない世界を、エロゲーが拓いてくれるかも、なんて。
『冥契のルペルカリア』を遊んでて、カミュの『カリギュラ』を読んだのですが、字だけだとわからないことが多い。だから、過去にあった演劇のビデオを借りて観たりしたいとか既に考えています。
エロゲーやってて自分の興味が様々な方向に向いていったんですよという体験談でした。
(石川 ウグイス)