京美同活動ノート

京大美少女ゲーム同好会のブログです。週1より早いペースでの更新が目標です

【18日目】地球で最後の恋物語

この記事は、新歓ブログリレー18日目のものとして書かれました。

 

 

はじめに

初めましての方は初めまして、初めてじゃない方には初めません。大佐(@taisa22670658)です。月並みな挨拶ですが、まずは新入生の皆さん合格おめでとうございます! 


さて、この記事を読んでいる方は、多かれ少なかれ美少女ゲームに興味がある方だと思います。その中で、まだプレイしたことがなくて何から始めれば良いかわからない方も多くいらっしゃるでしょう。既にこのブログでもそういった方向けにさまざまな作品紹介や考察が投稿されていますので、まだ読んでいなければ是非そちらもご覧ください。

 

kuvnlovers.hatenablog.com

 

そして私からは、グラフィック・シナリオ・音楽・ムービーといった美少女ゲームの主要な要素、その全てで最高レベルのクオリティを誇り、短めで綺麗にまとまっているため初心者にもおすすめな作品、『eden*』を紹介したいと思います(選択肢がない一本道なので、正確には美少女"ゲーム"ではないかもしれませんが、細かいことを気にしてはいけません)。

 

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パッケージ画像(FANZAの販売ページから引用)

 

概要

eden*』は2009年にminoriから発売された全年齢向けインタラクティブ・ノベルです。本編に加えて拡張データディスク『eden* PLUS+MOSAIC』をインストールすることでR-15/18の流血表現や性描写が追加されるという、割と珍しい販売形式を取っています。


正直PLUS+MOSAICの要素は要らないような気もしますが、FANZAのDL版で買う気なら500円くらいしか違わないので、18禁版を買っておくのがいいように思えます。また、たまにセールで半額くらいになるのでそこを狙うのが吉です。

 

公式サイト

http://www.minori.ph/lineup/eden_/index.html

 

FANZAリンク

 

あらすじ

 

――それは地球で最後の恋物語
遠い未来の出来事。
火星付近に突如出現した「破滅の星」と呼ばれる巨大なエネルギーの塊。
その影響は地球にも降り注ぎ、異常気象や地殻変動が発生。
それをきっかけに各地で勃発した戦争とテロ行為により、世界は破滅的な打撃をこうむる。
しかし、それすらも真の破滅への兆しでしかなかった。残された時間は100年。
滅亡を回避するために、人類は地球から脱出を計画。
その遂行のために2つの計画が立案される。第一に、計画そのものを実行する“地球統一政府”の設立。
彼らは地球脱出の遂行を最優先とし、大を生かすために小を犠牲にする方針を打ち出す。
強権による人材収拾。世界政府設立の妨げとなる国家や団体を軍事力により制圧。
また、人種・宗教・食料・エネルギーによるありとあらゆる問題を圧倒的な武力によって鎮圧した。第二に、地球脱出の根幹となる“フェリクス計画”。
移民のために宇宙線建造、ならびに宇宙空間での長期生存を可能とする技術力を手にしなければなくなった人類だが、残された時間はわずか100年でしかなかった。
彼らは実現不可能なその計画を、実現可能な超人類を生み出すことで解決する――遺伝子に改良を施し、高い知能と不老長寿の肉体を持つ新たなる人類「フェリクス」。それから99年の時が流れ――。
地球脱出計画の中心メンバーとして活躍したフェリクスの少女がいた。
人類のすべてを研究に捧げ、仕事を終えた彼女は人がいなくなった地球に残って穏やかに余生を過ごすことを望んだ。
そして、彼女のもとへ統一軍から派遣された青年がいた。
彼の仕事は少女を守ること。そして、彼女の自由を拘束すること。2人の出会いから物語は動き出す。
すべて燃やし尽くした星と少女の小さな物語が。

 

SF的な設定や軍隊要素などが見受けられますが、最初にある "地球で最後の恋物語" 、これがこの作品の中心です。

 

ムービー

eden*』についてまず特筆すべきはOPムービーのクオリティでしょう。

 


www.youtube.com

 

これが2009年、今から10年以上前の映像ですよ? 今なお通用するどころか、今でもトップレベルの映像だと思います。

 

minoriというブランドはOPムービーの質に定評があり、処女作の『BITTERSWEET FOOLS』から『ef - the latter tale.』までのムービーはあの新海誠監督が手がけています(ファンディスクと諸般の事情で他ブランドから引き継いだANGEL TYPEは除く)。

 

そして『eden*』のOPは新海誠頭を狂わされた触発されたminoriスタッフらが作成しました。minoriはその後『すぴぱら』でさらにグルグル動くムービーを作りますが、想定より売れずに赤字に。その後紆余曲折あり2019年にソフト開発を終了してしまったので、『eden*』のOPはもはやオーパーツと言っても良い映像だと思います。

 

シナリオ

本作は切ない恋物語が主題であり、それを描くことに全勢力を傾けています。そのために、それを邪魔するような要素は極力排し、プレイヤーが主題に集中できる作りになっています。

 

それゆえ、『eden*』のシナリオにはアッと驚かせるような展開や、考察させるような要素はあまりありません。勘のいい人なら開始10分ほどで結末の予想がつくかもしれない王道のシナリオですが、結末へ至るまでの丁寧に描かれた過程が、物語をこの上なく綺麗で切ないものとしています。私はラストでかなり泣いてしまいました。

 

また、オートモードで流しても10時間かからない程度の長さで、これはフルプライスの美少女ゲームと比べると短いです。1日で完走できるので手を出しやすく、初心者でも完走しやすい部類に入ると思います。

 

グラフィック・音楽

eden*』はGetchu.com(店舗および通販サイトで美少女ゲームやDVDソフト等を販売する小売店。2003年以降毎年ユーザー投票を行い、その年発売された美少女ゲームのランキングを作成・公開している)の2009年度版ユーザーランキングのグラフィック部門で1位にランクインしており、そのクオリティが伺えます。なんと言っても、ゆうろ先生の描く美麗な背景と、ちこたむ先生の描く可愛い女の子の組み合わせが素晴らしいです。

 

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お気に入りのCG。自然の中で佇む美少女、いいよね……

 

また、ほとんどの美少女ゲームは「イベントCGパート」と「立ち絵パート」を繰り返す画面演出を採用していますが、本作は優れた演出によってそれらの境界を薄くし、ほとんど「立ち絵がない」と言っても過言でない作品に仕上がっています。

 

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主人公の後ろ姿を表示したり、立ち絵にも光を当てたりして、立ち絵であることを意識させないようになっている

 

さらに、『eden*』の音楽は『星を追う子ども』までの新海誠作品の音楽を担当した天門さんと、作曲家でベーシストの柳英一朗さんが担当しています。OP曲の『little explorer』はダイナミックな名曲ですし、作中のBGMは幻想的で美しいものが多く、シナリオとよく噛み合っていると思います(サントラが高騰してるのをなんとかして欲しい)。

 

おわりに

高品質なシナリオ・グラフィック・音楽・ムービーが綺麗にまとまった『eden*』。皆さんにも是非オススメします! 私から言えるのはこれだけです。あとは作品が語ってくれるでしょう。