この記事は、新歓ブログリレー26日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。
はじめに
初めまして。やきたこ(@tenten_815)と申します。
突然になりますが、皆さんは「男の娘」という言葉をご存知でしょうか?
二次元および三次元の「少女のような外見をした少年」を指すという一定の共通認識は成立しているが、厳密な解釈は定まっていない。
Wikipedia大先生にも書かれている通り、明確な定義というものは未だ無く、女装少年や中性的といった概念とは区別されたりされなかったりするのですが、今回は「見た目が女の子にように可愛らしい男性キャラ」という大まかな基準で考えていきましょう(「百合」の定義とこの話題はよく論争が起きる)。
「男の娘」の始まり
これ以前の作品にも「男の娘」にあたるキャラは居るのですが、美少女ゲームにおいて明確に「可愛らしい」キャラとして最初期に登場したのは、2001年にActiveから発売された『ねがぽじ 〜お兄ちゃんと呼ばないでっ!!〜』の主人公・広場まひるでしょう。
自分を女だと疑わないで生きてきたというこのキャラクターは、どのヒロインよりも人気を集め、美少女ゲームにおける「男の娘」というジャンルの先駆けとなりました。
同年にCAGEから発売された『純愛GirL』の「加護のあ」もヒロインという立ち位置としては「男の娘」の草分け的存在と言えるキャラクターです。
このキャラは学園では生徒から絶大な人気を誇る美少女なのですが、家庭の複雑な事情によって女性として育てられた「男性」だということが途中で判明します。
性自認どころか戸籍上でも「女性」ですが、肉体的には「男性」というトランスジェンダーのヒロインは当時のプレイヤー及び美少女ゲーム業界に大きな衝撃を与えました。
「男の娘」の普及と発展
2003年にCAGEから発売された『恋する妹はせつなくてお兄ちゃんを想うとすぐHしちゃうの』に登場する志木秋巳も非常に人気の高いキャラクターでした。
兄である主人公の春人を想って普段から女装をしており、特に兄のベッドに入り込んで自慰をするシーンは多くの人の心を掴みました。
そして、「男の娘」というジャンルの美少女ゲームにおけるエポックメーキングとなったのは、やはり2005年にキャラメルBOXから発売された『処女はお姉さまに恋してる』の主人公・宮小路瑞穂だと思います。
男性が女装して女子学園に入学(潜入)するという「男の娘」というジャンルを扱った美少女ゲームのテンプレを確立した作品(これ以前にもフロントウイングの『スイートレガシー』などがありましたが)であり、間違いなくこれ以降の作品にも大きな影響を与えました。
同年にういんどみるから発売された『はぴねす!』の渡良瀬準こと「準にゃん」も「男の娘」の代表的なキャラクターとして知られています。
サブキャラクターとしての登場でしたが、ファンディスクの「りらっくす」では攻略の対象となり、PS2用に移植された「でらっくす」では「渡良瀬準の華麗なる一日」という彼(彼女?)を主役に据えたアニメ特別編DVDが初回限定版に同梱されました。
また、2007年にはオンリー同人誌即売会「準にゃん足りてる?」が開催されるなど、宮小路瑞穂と共に「男の娘」ブームを巻き起こしました。
現在に至るまでの様々な「男の娘」たち
「男の娘」ブームを迎えた美少女ゲーム業界では、AXLの『恋する乙女と守護の楯』、暁WORKSの『るいは智を呼ぶ』、ensembleの『花と乙女に祝福を』などヒット作が沢山生まれました。
その中でも特段美少女ゲームファンを驚かせたのは2011年に脳内彼女から発売された『女装山脈』でしょう。
なんと作中には「男の娘」ヒロインしか登場せず、女性が一切いないというぶっ飛んだこの作品は、多くのプレイヤーの性癖を歪ませ、「萌えゲーアワード2011」では話題賞の金賞を受賞しました。
さらには『女装海峡』『女装学園(妊)』といったシリーズも制作され、同ブランド(及び後継ブランド「の~すとらいく」)の代表作となりました。
最近の作品だと、Navelの『月に寄りそう乙女の作法』やぱれっとクオリアの『オトメ*ドメイン』も語るには欠かせない作品です。
『月に寄りそう乙女の作法』は、服飾の夢を捨て切れなかった主人公・小倉朝日(大蔵遊星)が、妹・りそなの提案によってフィリア女学院日本校で勉強するために女装して入学するという内容であり、作品の面白さや楽曲、キャラクターデザインなどどれも非常に評判が良く、男の娘モノの傑作としてよく挙げられる一作です。
『オトメ*ドメイン』の主人公・飛鳥湊は、巨乳、巨尻好きのムッツリであり、自分は「男だ」という矜持が残っているタイプの男の娘です。
しかし、圧倒的な女子力、可愛らしい外見、声優の歩サラによるボイスの良さも相まって、Getchu.comによる「美少女ゲーム大賞2016」ではキャラクター部門で1位に選ばれました。
おわりに
この世には「男の娘」が登場する美少女ゲームがまだまだあります。
ωstarの『美少女万華鏡 -罪と罰の少女-』は是非最後までプレイして欲しいですし、『夏色さじたりうす』の鬼和綾人や『俺の恋天使がポンコツすぎてコワ~い。』の沖恒まそらはとても魅力的な男の娘です。
長くなるのでこの辺で締めますが、最後に一つだけ。
「男の娘ヒロイン」にもしっかり個別ルートを作ってくれ!!!(切実な願い)