京美同活動ノート

京大美少女ゲーム同好会のブログです。週1より早いペースでの更新が目標です

【30日目】(微ネタバレあり)『紙の上の魔法使い』をやってたら、生きるのが嫌になった話

この記事は、新歓ブログリレー30日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

 

 

はじめに

3回目の執筆となった石川ウグイスです。

 

世の中には、鬱ゲーと評されるものがあります。具体的な名前はいくらでも挙がるでしょう。でも鬱作品を観賞しても、鬱っぽい気分にならない人は一定数いるのではないでしょうか。

 

作品の主題やこの先の展開にとって大事じゃなさそうで、手が止まったりする。あるいは先が気にならなくて面倒になる。やる気がなくなるような作品は鬱っぽいというより嫌悪感の方が強かったですね。

 

なので、終えたあともう生きたくないなぁと思える作品は希少なんです。

 

というわけで、私から生きる気力を奪った作品を紹介……

 

『紙の上の魔法使い』

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読むのが辛いわけじゃない

ウグイスカグラ作品は『冥契のルペルカリア』の体験版から触れました。その「るぺかり」がとても面白かったんです。なので、ウグイスカグラのデビュー作『紙の上の魔法使い』(以下「かみまほ」)にも興味を持ち、遊びました。

 

といっても、「かみまほ」自体はそれほど面白くなかったんですよね。

 

日常パートがそこそこ退屈、演出はないようなもの、文章は最新作と比べるとかなり粗い。ウグイスカグラ作品の中でも一番評価が高い本作ですが、うまく作品のテンポ感についていけませんでした。

 

というのも、重大な謎の説明を後ろに回したり、それがあるキャラクターの動機だったりするので、わけがわからない描写が続く。伏線回収にそんなに興奮するわけじゃないので、こんなもんかって感じ。

 

その分、一通り終わったあとに全体を俯瞰すると、よくできているなぁと思うわけです。伏線のばらまき方や、その回収の巧さには、目を瞠るものがあります。日常パートがそこそこ退屈と書きましたが、それでも全体をキュッとしめるような、良質なセリフで溢れています。

 

こう思うと、わりと楽しんだ作品だったのかなぁなんて思い返すわけです。

 

とはいえ、全部終わらせたあとは、ちょっとガッカリしました。すぐ次の作品に手を出せるなぁとすら思えたくらいです。

 

読み終えること自体は苦痛じゃなかったわけです。

 

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生きたくねぇなぁ……

サクサク読み終えられたわけなので、鬱ゲーって評判があっても、やはりこんなもんかと思ってました。

 

が、その先1週間くらい、不思議なくらい何のやる気も起きませんでした。最低限の家事はできるのですが、本を読んだりアニメを見たりゲームをしたり、そういう気力が起きなかったわけです。

 

もとから無気力な生活を送っている方ですが、それでも外出したり、おいしいものを食べれば回復します。しかし今回はそんなことなかった。

 

日本橋まで遠出してエロゲーを買ったり、道中で評判のラーメンに舌鼓を打ったりしましたが、気分が晴れない。

 

なんでだろうなぁと考えた末に、「かみまほ」のせいと思ったわけです。

 

先に「かみまほ」のシナリオの特徴として、伏線回収を挙げました。衝撃的な事実を次々と開陳してくれるわけですよ。で、その事実というのはほとんど残酷な現実です。そんなこと知りたくなかったと叫びたくなるようなことを、主人公たちは何度も教えられるわけです。

 

「設定、設定、もううんざりだ」みたいなことを主人公が口走ったときは、その通りだなんてうなずいたものです。

 

つまりは、割と平気そうに見えて結構ダメージを負っていたわけです。いやぁ、なんてエネルギーのある作品だろう(冷や汗)。

 

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おわりに

とはいえ、時間を置けばやっぱり回復するものです。こういうのは1週間程度置けば抜けてくんですよ。その後に『冥契のルペルカリア』を駆け抜けるように遊びましたとさ。

 

「かみまほ」のあるエンドを少し読み返しました。キャラクターの行動理由がわかっているからか、キャラクターの感情がスッと入ってきて、かなり楽しかったです。記憶を消さないでもう1度遊びたいですね。

 

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