この記事は、新歓ブログリレー16日目のものとして書かれました。
※ヘンタイ・プリズン本編のネタバレを含みます。
はじめに
今回は、Qruppo3作目『ヘンタイ・プリズン』のレビュー&考察をしていきます!
レビュー
シナリオ
思っていた以上に監獄ものをやっていてめちゃくちゃ面白かったです。このゲームをやる前に『ショーシャンクの空に』をたまたま観ていたことも相まって、楽しめた気がします。序盤のいじめ描写は正直しんどかったですが、監獄ものでは鉄板なので仕方ないですね。
千咲都ルート
夕顔看守長をブチのめすルートでした。千咲都がグランドヒロインだと思っていたので、まさかの最序盤ルートだったのにはかなり驚きましたね。
実際にやってみた感想としては、ぬきたし無印の奈々瀬ルート的な「王道かつ入門」感が強く、最初に攻略するルートとしてとても良かったと思います。
妙花ルート
我妻看守長をブチのめすルートでした。内容的には2番目に攻略すべきルートなのですが、僕は間違えてノアルートを先に攻略してしまいました。あの分岐わかりづらくない??? 絶対僕と同じミスをした人いると思います。
このルートをプレイした感想なんですが、ぶっちゃけ直前にプレイしたノアルートが面白すぎてあんま頭に残ってないです。終盤の展開が激アツだったことは覚えてます。波多江の強肩の設定回収がアツすぎる。
ノアルート
夕顔看守長&我妻看守長をブチのめすルートでした。メインヒロイン3ルートの中でぶっちぎりに面白かったです。監獄内での勢力争いとノア&ソフりんの人間ドラマが複雑に絡みあったシナリオはマジで神だったと思います。終盤の激アツ展開もボリューミーだったし、非の打ち所が無かったですね。
グランドルート
他ルートと異なり、柊一郎がゲーム制作を諦めないルートでした。途中までのストーリーはだいたいノアルートと同様でしたが、中盤から展開が変わってきましたね。他ルートではほとんど描写されなかった柊一郎とアマツくんの別れは、かなり胸に来るものがありました。
EDを迎えたあと割と軽いノリでグランドアフターを始めたんですが、普通にゴリゴリ本編で笑いました。アフターをやらずに終えた君は今すぐこのページを閉じて続きをやろう。また救済されていないキャラがいるはずです。
キャラ
ノアが好きです。
音楽
マ~~~ジで良かったです!!!!! 毎回良い曲しか書かないえびかれー伯爵は本当に天才だと思います。特に主題歌。早く楽曲解説note書いてくれ~~~~~~~~~~~~~(この記事が上がる時期には出てますかね……?)
あと、BGMに恒例の主題歌アレンジ曲(Alea iacta est!とかL'Oiseau bleuみたいなやつ)が無かったのが印象的でした。本編中にBGMとしてILLEXECUTIONが流れたことも無かった(はず)あたり、安易に主題歌に頼るのを避けていた感じがしますね。
CG
ぬきたし2と比べてもかなりキレイになったな~~って思いました。絵の中に可愛らしさとカッコよさが共存しているのはQruppoならではだと思います。
今作は作風も相まってSDキャラは少なめで、シリアスなCGが多かったですね。あとマジでノアが可愛すぎる。+50000000000000点
考察
『ILLEXECUTION』
えびかれー伯爵お得意の主題歌タイトルにネタ仕込むやつですね(BWLAUTE BEIRRDのトリックには本当に度肝を抜かれました)。
本記事では、今作の主題歌タイトル『ILLEXECUTION』のトリックは以下に示すダブルミーニングであると予想します。
ILLEXECUTION → I'LL EXECUTION → I'll execute you.(物故ろしてやるぜ、ベイビー)
ILLEXECUTION → ILL EXECUTION → ILL(病)+ EXECUTION(処刑)
1つ目の「 I'll execute you. (物故ろしてやるぜ、ベイビー)」は確定でしょう。主人公の決め台詞をそのまま主題歌のタイトルにするのマジで良すぎる。
問題は2つ目ですよね。ヘンタイ・プリズン全編を通して感じたんですが、キャラクターひとりひとりの振る舞いが様々な病の症状であるように思えることから、メインキャラ達も柊一郎と同様に病を患っているのではないかと考えました。
柊一郎→解離性同一性障害(これは本編内で言及されている)
千咲都→吃音(どもりが酷い)
ノア→異食症(無機物をやたら飲み込む)
etc...…
また、監獄ものなので自然な展開ではありますが、定期的に医療室で診察を受けねばならないという設定にもなんとなく怪しさを感じました(プレイ中はこの仮説を信じ切っていたので、樋口先生が黒幕だと思ってました。ごめんなさい)。
これは完全にこじつけですが、メインシナリオライターの倉骨治人氏が公開したヘンタイ・プリズンの企画書におけるキャラ名の隣の黒塗りに、一人一つずつ病名が書かれているのではないかと考えました(柊一郎の欄の黒塗りは”二重人格”だと思います。字数的にもピッタリ)。
この考察、もし当たっていたら褒めてください(2022/3/23現在)。
柊一郎たちの年齢
エロゲ的にはシビアな話題ですが、本編内容的に重要な情報なのでまとめておきます。自分で直接確認した情報は()書きでどこにあるか記してあります。
・柊一郎は小卒、妙花は中卒(グランドアフター)
・柊一郎<妙花<ノア<千咲都 ※柊一郎と妙花の年齢は1歳差(グランド5_02)
・ソフりん七ヶ浜予科2年生時(20歳)にノア七ヶ浜入学(15~16歳)(グランド5_03)
・ソフりんは24歳
以上より、学年的には柊一郎が中3、妙花が高1、ノアが大2、千咲都が大3以上であることがわかります(※本編開始時)。設定資料集等で各キャラの誕生日が出揃ったら若干ズレるかもしれませんが、だいたいこのくらいだと思います。
ヘンプリ、ぬきたしの年代設定
年齢をまとめたついでにこちらもまとめておきます。
・樋口先生は32歳。26歳時の数年前にコロナウイルスが流行し看護師は激減。病院は大赤字だった(グランド5_05)
・ハメー彗星落下がヘンプリの10年くらい前
・千咲都は閏年生まれ(おそらく2008年生まれ)
・タピる、ぴえんが流行ったのが10年以上前
千咲都が21歳だと仮定すると、ヘンプリの年代設定は2029年あたりになると思います。ぬきたしがヘンプリの10年前だとすると、ぬきたしの年代設定は2019年あたりになりますね。
また、グランドアフターでは文佳がまだ赤ん坊だったので、
ぬきたし2本編<ヘンプリグランドアフター<ぬきたしグランドアフター
であることもわかります。
その他・個人的に思ったこと
ハーレムエンドか~~~~~~~~~~~~~~~~。
これは完全に想定外でした。少なくとも、ぬきたしを書いていた頃の倉骨治人氏には無かった展開だったと思います。ぬきたし2でもわざわざ本編じゃなくて文乃アフターをグランドエンドにしてたし。やたらグランドヒロイン感が強い千咲都を初っ端から攻略させられた時点で気づくべきだったのかもしれません。
「柊一郎の本質は我妻看守長のそれと同じ」的なシーンからヒロイン達が堕ち始めていたので、ハーレム状態になりかける→我妻と本質が同一であることに気づき、危うい人心掌握法から脱却する→グランドヒロイン(正妻)を見出す、みたいな展開になるのかと思っていました。まさかそのままエンディングに突っ走るとは……
あと、グランドアフターの釘谷さんを呼ぶくだり。「俺達はまだ若いから周りの大人に舐められる。だから、年長者が欲しい」というエピソードはQruppoの実体験が元になってる気がしてならないんですが、どうですかね?
実際、Qruppoは主要メンバーのほとんどが20代後半~30代前半のはずです(メインライターの倉骨治人氏は今年で30歳。他メンバーもそのあたりだと思います)。ぬきたしが爆発的にヒットしていく中で、何か思うところもあったのではないでしょうか。完全にこじつけですが……
最後に、某人気実況者が悪人として登場した話(プレイした人なら誰かわかるでしょう)。ぶっちゃけこれはクッッッソ萎えました。急に現実に引き戻された気がして最悪でした。
あの界隈嫌うのは勝手にしてくれればいいけど、それを作品の内容にまで反映させるなよ~~~~~~~~~~~。急にエロゲヒロインが偏った政治の話始めて、脳裏にライターのオッサンの顔が浮かんでくるあの感覚にそっくりでした。
ゲーム自体は本当に面白かったんですけどね。
おわりに
ヘンタイ・プリズン、サクラノ刻さえ出なければ(たぶん出ないけど)2022年の覇権だと確信するほど面白かったです。ぶっちゃけぬきたし2でネタが切れてコケるんじゃないかな~とか思っていたんですけど、そんなことはありませんでした。やっぱりQruppoはすごい。これからもずっと追いかけようと思います。
今回の記事はこのあたりで終わろうと思います。何かあればコメントかtwitter: mochi_kyoto2まで。特に考察はガバガバなので、有識者からの補足があると大変嬉しいです!
これから始まる新しい大学生活を、ぜひ全力で楽しんでください!