京美同活動ノート

京大美少女ゲーム同好会のブログです。週1より早いペースでの更新が目標です

【30日目】(微ネタバレあり)『紙の上の魔法使い』をやってたら、生きるのが嫌になった話

この記事は、新歓ブログリレー30日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

 

 

はじめに

3回目の執筆となった石川ウグイスです。

 

世の中には、鬱ゲーと評されるものがあります。具体的な名前はいくらでも挙がるでしょう。でも鬱作品を観賞しても、鬱っぽい気分にならない人は一定数いるのではないでしょうか。

 

作品の主題やこの先の展開にとって大事じゃなさそうで、手が止まったりする。あるいは先が気にならなくて面倒になる。やる気がなくなるような作品は鬱っぽいというより嫌悪感の方が強かったですね。

 

なので、終えたあともう生きたくないなぁと思える作品は希少なんです。

 

というわけで、私から生きる気力を奪った作品を紹介……

 

『紙の上の魔法使い』

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読むのが辛いわけじゃない

ウグイスカグラ作品は『冥契のルペルカリア』の体験版から触れました。その「るぺかり」がとても面白かったんです。なので、ウグイスカグラのデビュー作『紙の上の魔法使い』(以下「かみまほ」)にも興味を持ち、遊びました。

 

といっても、「かみまほ」自体はそれほど面白くなかったんですよね。

 

日常パートがそこそこ退屈、演出はないようなもの、文章は最新作と比べるとかなり粗い。ウグイスカグラ作品の中でも一番評価が高い本作ですが、うまく作品のテンポ感についていけませんでした。

 

というのも、重大な謎の説明を後ろに回したり、それがあるキャラクターの動機だったりするので、わけがわからない描写が続く。伏線回収にそんなに興奮するわけじゃないので、こんなもんかって感じ。

 

その分、一通り終わったあとに全体を俯瞰すると、よくできているなぁと思うわけです。伏線のばらまき方や、その回収の巧さには、目を瞠るものがあります。日常パートがそこそこ退屈と書きましたが、それでも全体をキュッとしめるような、良質なセリフで溢れています。

 

こう思うと、わりと楽しんだ作品だったのかなぁなんて思い返すわけです。

 

とはいえ、全部終わらせたあとは、ちょっとガッカリしました。すぐ次の作品に手を出せるなぁとすら思えたくらいです。

 

読み終えること自体は苦痛じゃなかったわけです。

 

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生きたくねぇなぁ……

サクサク読み終えられたわけなので、鬱ゲーって評判があっても、やはりこんなもんかと思ってました。

 

が、その先1週間くらい、不思議なくらい何のやる気も起きませんでした。最低限の家事はできるのですが、本を読んだりアニメを見たりゲームをしたり、そういう気力が起きなかったわけです。

 

もとから無気力な生活を送っている方ですが、それでも外出したり、おいしいものを食べれば回復します。しかし今回はそんなことなかった。

 

日本橋まで遠出してエロゲーを買ったり、道中で評判のラーメンに舌鼓を打ったりしましたが、気分が晴れない。

 

なんでだろうなぁと考えた末に、「かみまほ」のせいと思ったわけです。

 

先に「かみまほ」のシナリオの特徴として、伏線回収を挙げました。衝撃的な事実を次々と開陳してくれるわけですよ。で、その事実というのはほとんど残酷な現実です。そんなこと知りたくなかったと叫びたくなるようなことを、主人公たちは何度も教えられるわけです。

 

「設定、設定、もううんざりだ」みたいなことを主人公が口走ったときは、その通りだなんてうなずいたものです。

 

つまりは、割と平気そうに見えて結構ダメージを負っていたわけです。いやぁ、なんてエネルギーのある作品だろう(冷や汗)。

 

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おわりに

とはいえ、時間を置けばやっぱり回復するものです。こういうのは1週間程度置けば抜けてくんですよ。その後に『冥契のルペルカリア』を駆け抜けるように遊びましたとさ。

 

「かみまほ」のあるエンドを少し読み返しました。キャラクターの行動理由がわかっているからか、キャラクターの感情がスッと入ってきて、かなり楽しかったです。記憶を消さないでもう1度遊びたいですね。

 

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【29日目】初心者にこそおすすめしたいこと

この記事は、新歓ブログリレー29日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

 

 

ごあいさつ

こんにちは、若野色です。京美同新歓記事29日目ですね。

 

先輩方の記事はとてもすばらしく、私が末席を汚してよいものかと思うほどです。というのも私は未だ1本のゲームしかエンディングを迎えておらず、さらにそのゲームですら行っていないルートがあるほどの初心者。こんな初心者が記事を書いていいものか悩みました。

 

しかしこんな初心者だからこそ、初心者でも迎え入れてくれる京美同とエロゲの懐の深さを伝えられるのではないか、そう思い直して記事をこさえてみようと筆を取りました。以上は初心者だから変なことを言っているかもしれないけど許してという免罪符でもあります。

 

長々と余分なことを書いてしまいましたが、このまま続けても面白くないのでさくっと本題へ行きましょう。

 

知らないものは怖い

知らないものって怖いですよね。知らない人と喋るのはドキドキするし、いきなり知らない国に行けって言われたらなんとしてでも断りたくなるでしょう。少なくとも私はそうです。

 

知らないものって怖いので、つい近付くのを躊躇したりしてしまいます。エロゲを触れられずにいる人もこの心理が多分に働いていると思うのです。

 

しかし知らないものは怖いということは、逆を取れば知ってしまえば怖くないかもしれないということです。

 

では知るにはどうしたらいいでしょうか? 

 

私は「思い切り飛び込んでしまう」こそが最良の選択だと思います。知らない人で緊張したけど喋ってみたらぜんぜん怖い人じゃなかったとか、知らない店に思い切って入ってみたらいいところだったとか、そういう経験ありませんか? 

 

勇気を出して飛び込んでしまえば、恐れることなんて全くなかったと知ることでしょう。そしてそこには今まであなたが知らなかった素晴らしい世界がひらけているのです。

 

初心者だからこそ京美同に入ろう

私は、初心者にこそ京美同に入ることをおすすめします。さきほど話したように思い切り飛び込んでしまうことこそが怖さを拭うのに有効だから、というのもありますが、それ以上に京美同が初心者にも優しい環境だからです。

 

エロゲってさまざまなブランド(制作会社、グループなど)があって、それぞれのブランドがまたいくつもゲームを持っていて、というようなとても広い世界です。 

 

FANZAのおすすめブランドのページ
FANZAに登録されているブランド名だけで1000を超える*1

 

初心者にとっては途方に暮れるようなそんな広い世界、その世界で迷わないように水先案内をしてくれる先輩方が京美同にはたくさんいます。

 

「このブランド気になるんだけど」と発言すると、そのブランドをよく知っている先輩がうっきうきでおすすめのゲームを教えてくれます。三部作の二部から始めてしまったなんて事故も減ります(そんな事故あるんですか?)。また全く知らなかったブランド、作品の話も出てくるので、どんどんやりたいゲームが見つかります。

 

これは初心者だけでなく中級者や上級者にとっても良い刺激になっているようで、積みゲーが増えていくと嘆きながら新しい作品との出会いに心を弾ませている人をよく見かけます。

 

初心者だからこそさよ教をやろう

さよならを教えて 〜comment te dire adieu〜、略してさよ教。このゲームこそが私がエロゲを始めるにあたって最初に飛び込んだ滝壺です。

 

詳細な紹介の前にひとつ、このゲームはネタバレ厳禁な風潮があります。Wikipediaも敵なので初見で楽しみたい人は検索しないようにお願いします。この記事でもなるべくネタバレにならないよう注意を払って紹介します。気になる方はDLsiteで買えるのでそちらへどうぞ。

 

www.dlsite.com

 

主要な登場人物の一人である大森となえ
この画像ような夕焼けの雰囲気が作品の中で一貫している

 

メインヒロインの巣鴨 睦月

 

さてこのゲームは三大電波ゲー(電波ゲーとは主に怪作、奇妙なゲームといった意味合いで使われる。三大電波ゲーの残りの2つは「終ノ空」「ジサツのための101の方法」)と呼ばれるものの1つで、重度の鬱要素を含みます。

 

その証左に、購入サイトには以下のような文言があります。

 

●現実と虚構の区別がつかない方
●生きているのが辛い方
●犯罪行為をする予定のある方
●何かにすがりたい方
●殺人癖のある方

※このソフトには精神的嫌悪感を与える内容が含まれています。
上記に該当する方は購入をご遠慮くださるよう、あらかじめお願い申し上げます。

さよならを教えて ~comment te dire adieu~ [CRAFTWORK] | DLsite 美少女ゲーム - R18

 

半分ネタとも言われていますが、プレイした結果かなりガチだと思いました。

 

もともと私はこれらの要素は持っていなかった(と信じたい)のですが、このゲームをやった後3日くらい現実と虚構の区別が曖昧になり、生きているのが辛くなり、縋りたくなって深夜に友達に電話しました。あのとき付き合ってくれた友達ありがとう(その友達が私にさよ教を薦めた元凶なのですが)

 

ここまで書きましたが、なんで初心者に鬱ゲーを薦めるんだと憤慨している方もいるでしょう。その指摘、ごもっともです。今すぐ逃げてください。このゲームはマジでやばい。やばすぎてすべてのエンドを開ける前にアンインストールしてお経をあげました。冗談だろって思ったでしょ? マジの話です。

 

でもこう言われれば言われるほどやりたくなりますよね? 知らないものは怖いという気持ちと同様に、怖いもの見たさという感情もあります。もしくはやるなと言われたことほどやりたくなるとか。

 

どちらにせよ、このタイトルを知ってしまった時点でもう手遅れです。いつか必ずやることになります。どうせ痛い思いをするならさくっと済ませませんか? 

 

でもこれじゃ初心者におすすめする理由にはなりませんよね。なので3つほど、おすすめする理由を挙げたいと思います。

 

1つ目の理由はシナリオを読ませる力がすごいという点です。

 

これ以上進んではいけないという不安を感じながらも、ついつい先に進みたくなってしまう見事な文章。私はエロゲに慣れていないし小説もあまり読まないので、そんなに長時間やれないのではないかと思っていたのですが、気付いたら4時間くらいのめりこんでいました。

 

2つ目に、エロゲの中では割と短い方だという点です。

 

はじめてから1つのエンディングを見るまででだいたい7時間くらいだったと思います。アニメの1クールと大して変わらないくらいの長さですね。先ほどのシナリオを読ませる力と相まって、初心者の私でも2日くらいでクリアできてしまいました。

 

そして最後に、このゲームが三大電波ゲーだからです。

 

最初に言ったように、知らないことへの怖さを払うには飛び込んでしまうことが有効です。それも深ければ深いほどいいです。

 

三大電波ゲーに数えられるということは、それに匹敵するほど怖い作品はあと2つしかないということ。このゲームをクリアした後、あなたは自信に満ちて何一つ恐れることなくさまざまなエロゲを楽しめるでしょう。

 

あたたかな風のそよぐ癒しの世界を、何一つ不安に思わずに闊歩できるでしょう。一度深くまで潜ってしまったのならば、もう水を怖がることはなくなるのです。

 

とは言っても鬱ゲーをやるにはそれなりの注意が必要です。作品に飲み込まれやすい方や精神が弱い方はやらないほうがいいです。

 

現代文の授業などで夏目漱石の『こころ』を読んだときにダメージ受けた人には確実におすすめできません。他には森鴎外の『舞姫』とか太宰治の『人間失格』とか。ダメージを受けるほどではなくても、心情などをリアルに感じ取れてしまう人は黄色信号です。

 

初心者におすすめとは言っていますが、おすすめしたことに対して責任は取りません。やるときは完全に自己責任でお願いします。

 

さあ一緒に飛び込もう

流石に滝壺に飛び込めなんて酷なことはいいません。プールとか海水浴場とか、そういうところで飛び込めばいいんです(プールは飛び込み禁止のところもあるけど)

 

京美同にはエロゲへのファーストダイブに適切なゲームを教えてくれる先輩方が待っています。ちょっとでもエロゲに興味をもったあなた、京美同に入ってエロゲの広大な世界に飛び込んでみませんか? 

 

*1:2022年3月28日時点で1208。コラボなどは別名義になっているため実際のブランド数はこれよりやや少ない。

【28日目】冷静に考えたら主人公が男である必要はない件 -「FLOWERS」シリーズ紹介

この記事は、新歓ブログリレー28日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

kuvnlovers.hatenablog.com

 

 

はじめに

この春から大学に入学する人もそうでない人も、すでに28日目になる一連の新歓記事を読み、美少女ゲームの世界の広がりを十分にのぞき見たことだと思います。

 

しかし、これまで紹介された作品はすべて男性が主人公のものでした(多分)。

 

今、「ギャルゲーなんて男がプレイするものなんやから当たり前やん」と思ってしまったあなたのために、今日は主人公、ヒロインがともに女性である作品をご紹介いたしましょう。

 

FLOWERSシリーズ概要

FLOWERSシリーズはInnocent Greyから発売されたFLOWERS春篇・夏篇・秋篇・冬篇の四部作からなる作品群です。

 

PC版と家庭用ゲーム機版がありますが、もともとが全年齢向けの作品なので内容は変わりません。特にNintendo SwitchPS4版では四部作すべてがまとめて1本になったものが販売されているので、そちらがおすすめです。

 

残念ながらPC版ではバラ売りでしか購入できませんが、DMMでダウンロード版が購入できるため入手難易度は非常に低いです。話の展開はすべて繋がっているので、PCでプレイする方は素直に春篇からプレイしましょう。

 

dlsoft.dmm.com

 

FLOWERS 四季 - Switch

FLOWERS 四季 - Switch

  • プロトタイプ
Amazon

 

また、Innocent Greyといえば【19日目】の記事で同社の殻ノ少女シリーズが紹介されましたが、本シリーズでは登場人物が死ぬようなことはありませんのでご安心ください。とはいえ、ただ生ぬるい平和が続くだけの作品というわけでもありませんが・・・・・・

 

FLOWERS春篇紹介

ここからは主に春篇の紹介をしていきます。まずはあらすじの紹介です。

 

あらすじ

物語はある少女が全寮制でミッション系の女子校に入学するところから始まります。

 

この主人公の女の子がなかなか一筋縄ではいかない子で、人目を惹く容姿を持ちながらも、家庭の環境に問題があり、前の学校ではうまく馴染めなかったせいで、臆病ではにかみ屋な子になってしまっています。

 

そんな彼女は新しい学校で心機一転して友達を作ろうと意気込みます。この学校には生徒が3人1組のルームメイトになる制度があり、ルームメイトとなった生徒と仲良くしようとしますが、内気が災いしてなかなか打ち解けることが出来ません。

 

それでも彼女は趣味の読書や映画鑑賞で培った洞察力を駆使して問題を解決し、周囲からの信頼を得て、ある程度仲良くなります。

 

しかし、"本物の友情"を築くまでには至りません。主人公は"本物の友情"を得ることが出来るのか、そのためにはどういった壁を越えなければいけないのか、そして壁の向こうには何があるのか・・・・・・

 

現実の世界でも、春からの新しい生活に大きな不安を抱いている方も少なくないはずです。この作品がそういう人たちの助けになるとは言いませんが、友情あるいは恋愛が一朝一夕にはいかないことを心掛けておけばきっと大事故は防げるでしょう。

 

大事故を起こして大学に顔を出しづらくなり、そのままフェードアウトしてしまう例もありますから。

 

これは先輩からの忠告だと思って聞いておいた方がいいです。特に男子校上がりの諸君。

 

おすすめポイント

BGM

本作も同社の殻ノ少女シリーズの音楽を担当したMANYO氏が担当しています。19日目の記事でも言及があったように、氏の音楽は非常に素晴らしいです。以下のサイトで春篇のBGMが視聴できるので、是非聞いてみてください。

 

mora.jp

 

ちなみに、春篇のタイトル画面のBGMは"カラー"です。筆者のお気に入りは"Afternoon Tea"と"心に秘めた愛"です。

 

主人公がスケベ    

先述の通り主人公はシャイで内気な女の子なのですが、そのくせやたらとスケベです。

 

例えば、作中で春の恒例行事、身体測定が行われるのですが、プレイするこっち側だけでなく主人公まで鼻息荒く興奮してしまうのでてんやわんやです。


さらに舞台となる学園の設定までもが主人公のスケベを増長させています。特に学園の体育の授業がすべて〇〇〇という設定には思わず「そんなんありかい」とツッコんでしまうことでしょう。


ちなみに春篇・夏篇・秋篇ではそれぞれ主人公が異なりますが、みんなスケベですので悪しからず。

 

メガネ

この作品には素晴らしいメガネっ娘が登場します。なので某日常系4コマに登場する1人だけ遊園地に行けなかったり大学に落ちまくったりするあのメガネに萌える人、メールアドレスがmeganekkogekilove@~で始まる人はプレイするべきです。


あんまり具体的に書くとネタバレになるので詳細は控えますが、本作のメガネっ娘は某関西弁のいいんちょ某緑髪の看護婦のような名だたるメガネっ娘諸先輩方の残留思念を持つメガネっ娘なのです。

 

メガネっ娘の経験が浅い人はもしかしたら、本作の彼女を悪いメガネっ娘だと思ってしまうかもしれません。しかし、彼女はいいメガネっ娘です。メガネっ娘の道に入門するためにこれだけは忘れないように。

 

ちなみに英語でメガネっ娘が好きだと言いたいときは"I love girls with glasses!"と言えばいいので、大学の英語の初回授業で自己紹介をするときの参考にしてください。

 

その他

本シリーズは声優陣も豪華です。深夜アニメで活躍する名塚佳織さん、佐倉綾音さん、洲崎綾さんなどの有名声優がメインキャラクターの声優を務めています。


イラストに関してはDMMの商品販売ページでサンプル画像がたくさん確認できるので詳しくは書きませんでしたが、非常に良いです。

 

dlsoft.dmm.com

 

筆者はそういう病気なのでメガネっ娘が眩しすぎてほかの子が見えないようになってしまっていますが、他の登場人物もいい感じですからみなさんの正常な目でしっかり確認してあげてください。


また、本・映画好きの登場人物が多いので、有名文学作品や映画の言及・引用が豊富に現れます。この作品をきっかけにそれらの作品に触れてみるのも良いでしょう。特に春篇の序盤で登場する『嵐が丘』は英文学の最高峰の一つなので、ぜひ手に取ってみてください。

 

おわりに

FLOWERSシリーズ、いかがでしょうか。

 

今回は春篇を中心に紹介しましたが、これはすでに4本セットで販売されているということと、春篇がうまいこと続編に誘導してくれるということを考慮したためです。1本のボリュームはそこまで多くないので、まずは気軽に始めてみてください。

 

また、本文ではあえて百合という言葉を使いませんでしたが、本作のジャンルは「百合系ミステリィADV」となっています。百合とは本作のように少女同士の恋愛を描いた作品ジャンルのことですが、美少女ゲームのジャンルとしてはそこまで数多く出ているわけではありません。

 

とはいえ、本作は一般的な美少女ゲームと同様のシステムなので、初めてプレイする作品としてもおすすめできます。

 

最後にプレイに関してちょっとしたアドバイスをさせてください。本作は「百合系ミステリィADV」というジャンル名の通り、基本的に各章ごとに推理パートがあります。

 

しかし、正直に言って謎解きの難易度調整は微妙です。ヒントなしで解けないような問題もあるので、そういうときは選択肢しらみつぶしで進めてしまって構わないと思います。推理パートに入ったらセーブをお忘れなきよう。

 

記事は以上となります。ここまで読んでいただきありがとうございます。本作品をプレイし終えた方は同好会に入って感想をお聞かせもらえたら幸いです。

 

【27日目】美少女ゲームの表現法の変遷について

この記事は、新歓ブログリレー27日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

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1. はじめに

はじめまして。本日のブログを担当いたします、侍店長(Twitter: @yatuhasidaigaku)です。 

 

自己紹介

神戸大学法学部法律学科卒→一橋大学大学院言語社会研究科修士課程二年生

 

専門はオタク文化論(エロゲ)、表象文化論社会学東京大学大学院博士後期課程を目指し勉強中。

 

京大美少女ゲーム同好会に所属し、コラムを担当することになりました。

 

研究の立場、クリエイターとしての立場、消費者としての立場いずれから論ずるべきか迷いましたが、新人としてざっくばらんに語ろうと思います。

 

2. 私とエロゲ

今でこそ大学院生の立場というものがありますが、かつては勉強ができない落ちこぼれでした。そんな私を勇気づけてくれたのが、エロゲでした。

 

エロゲは人々をエンパワーメントし、人々の生きる意味となる、という立場で今もエロゲをプレイしています。

 

3. エロゲの表現の変化

今も昔も萌えゲー、抜きゲー、シナリオゲーという大きな枠組みはあまり変わっていないように思えます。

 

キャラクターは厚塗りのギャルゲー塗りから、透明感や綺麗さを重視したソシャゲ塗りへと変化しましたし、紙芝居にスクリプトや表情の変化の多様性を重視する萌えゲーやシナリオゲーが増加したという変化はあります。

 

萌えゲーで覇権をとりつつあるゆずソフトの『喫茶ステラと死神の蝶』では、一つの立ち絵ごとに表情変化の差分が多く、テキストよりもキャラクターの表情で直接ユーザーに訴えかけるという手法が強調されていました。

 

デビュー作の『ぶらばん』では、可愛いキャラクターと薄いシナリオの作品だとしか思いませんでしたが、今作では四季ナツメを筆頭に、表情の変化だけでもユーザーをわくわくさせると思いました。

 

シナリオゲーでは、タイプムーンの『魔法使いの夜』(18禁ではありませんが)で、紙芝居からの脱却の手段としてスクリプト、演出が用いられました。映画の技法でもあるクロスカッティングなど、演出に力を入れることで表現の幅を用いていた印象です。

 

他にも、クロックアップは紙芝居ベースではありますが、グロ、エロ、ホラーなど、アニメやゲームでは表現できないエロティズムに特化しています。

 

ユーフォリア』『フラテルニテ』『マゴットベイツ』以降、『エレホン』に至るまでエロとグロを活かした大人の物語は、批評空間でも一定の評価を得ています。

 

システム面では、古くは『臭作』、『YUNO』からあったメタ的視点を『ドキドキ文芸部』や『君と彼女と彼女の恋』など、メタ的な構造、視点をシステムに取り入れるというやり方も変化の一つと言えるでしょう。

 

いずれにせよ、紙芝居を基礎としつつも表現に幅をもたせるために、立ち絵、シナリオ、スクリプト、システムいずれかを強化しなければ、エロゲ市場で生き残ることが難しいと考えます。

 

4. おわりに

最初のコラムですので、あまり長くしすぎずこの辺で切り上げたいと思います。

 

同人サークルエイミーソフトで、『ファムファタール』という作品の企画、シナリオ、スクリプトを担当しています。販売後ご縁があれば、プレイしていただけると嬉しく思います。

 

【26日目】美少女ゲームにおける「男の娘」の歴史

この記事は、新歓ブログリレー26日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

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はじめに

初めまして。やきたこ(@tenten_815)と申します。

 

突然になりますが、皆さんは「男の娘」という言葉をご存知でしょうか? 

 

二次元および三次元の「少女のような外見をした少年」を指すという一定の共通認識は成立しているが、厳密な解釈は定まっていない。

出典:男の娘 - Wikipedia

 

Wikipedia大先生にも書かれている通り、明確な定義というものは未だ無く、女装少年や中性的といった概念とは区別されたりされなかったりするのですが、今回は「見た目が女の子にように可愛らしい男性キャラ」という大まかな基準で考えていきましょう(「百合」の定義とこの話題はよく論争が起きる)

 

「男の娘」の始まり

これ以前の作品にも「男の娘」にあたるキャラは居るのですが、美少女ゲームにおいて明確に「可愛らしい」キャラとして最初期に登場したのは、2001年にActiveから発売された『ねがぽじ 〜お兄ちゃんと呼ばないでっ!!〜』の主人公・広場まひるでしょう。

 

自分を女だと疑わないで生きてきたというこのキャラクターは、どのヒロインよりも人気を集め、美少女ゲームにおける「男の娘」というジャンルの先駆けとなりました。

 

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同年にCAGEから発売された『純愛GirL』の「加護のあ」もヒロインという立ち位置としては「男の娘」の草分け的存在と言えるキャラクターです。

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このキャラは学園では生徒から絶大な人気を誇る美少女なのですが、家庭の複雑な事情によって女性として育てられた「男性」だということが途中で判明します。

 

性自認どころか戸籍上でも「女性」ですが、肉体的には「男性」というトランスジェンダーのヒロインは当時のプレイヤー及び美少女ゲーム業界に大きな衝撃を与えました。

 

「男の娘」の普及と発展

2003年にCAGEから発売された『恋する妹はせつなくてお兄ちゃんを想うとすぐHしちゃうの』に登場する志木秋巳も非常に人気の高いキャラクターでした。

 

兄である主人公の春人を想って普段から女装をしており、特に兄のベッドに入り込んで自慰をするシーンは多くの人の心を掴みました。

 

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そして、「男の娘」というジャンルの美少女ゲームにおけるエポックメーキングとなったのは、やはり2005年にキャラメルBOXから発売された『処女はお姉さまに恋してる』の主人公・宮小路瑞穂だと思います。

 

男性が女装して女子学園に入学(潜入)するという「男の娘」というジャンルを扱った美少女ゲームのテンプレを確立した作品(これ以前にもフロントウイングの『スイートレガシー』などがありましたが)であり、間違いなくこれ以降の作品にも大きな影響を与えました。

 

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画像中央が宮小路瑞穂。エルダー・シスターとして全校生徒から崇められている。

 

同年にういんどみるから発売された『はぴねす!』の渡良瀬準こと「準にゃん」も「男の娘」の代表的なキャラクターとして知られています。

 

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サブキャラクターとしての登場でしたが、ファンディスクの「りらっくす」では攻略の対象となり、PS2用に移植された「でらっくす」では「渡良瀬準の華麗なる一日」という彼(彼女?)を主役に据えたアニメ特別編DVDが初回限定版に同梱されました。

 

また、2007年にはオンリー同人誌即売会準にゃん足りてる?」が開催されるなど、宮小路瑞穂と共に「男の娘」ブームを巻き起こしました。

 

現在に至るまでの様々な「男の娘」たち

「男の娘」ブームを迎えた美少女ゲーム業界では、AXLの『恋する乙女と守護の楯』、暁WORKSの『るいは智を呼ぶ』、ensembleの『花と乙女に祝福を』などヒット作が沢山生まれました。

 

その中でも特段美少女ゲームファンを驚かせたのは2011年に脳内彼女から発売された『女装山脈』でしょう。

 

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男と男の娘が恋愛し結ばれるという奇妙な因習がある田舎の村が舞台となった『女装山脈』

 

なんと作中には「男の娘」ヒロインしか登場せず、女性が一切いないというぶっ飛んだこの作品は、多くのプレイヤーの性癖を歪ませ、「萌えゲーアワード2011」では話題賞の金賞を受賞しました。

 

さらには『女装海峡』『女装学園(妊)』といったシリーズも制作され、同ブランド(及び後継ブランド「の~すとらいく」)の代表作となりました。

 

最近の作品だと、Navelの『月に寄りそう乙女の作法』やぱれっとクオリアの『オトメ*ドメイン』も語るには欠かせない作品です。

 

『月に寄りそう乙女の作法』は、服飾の夢を捨て切れなかった主人公・小倉朝日(大蔵遊星)が、妹・りそなの提案によってフィリア女学院日本校で勉強するために女装して入学するという内容であり、作品の面白さや楽曲、キャラクターデザインなどどれも非常に評判が良く、男の娘モノの傑作としてよく挙げられる一作です。

 

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ルナ様と並ぶ二大ヒロイン(?)こと小倉朝日

 

『オトメ*ドメイン』の主人公・飛鳥湊は、巨乳、巨尻好きのムッツリであり、自分は「男だ」という矜持が残っているタイプの男の娘です。

 

しかし、圧倒的な女子力、可愛らしい外見、声優の歩サラによるボイスの良さも相まって、Getchu.comによる「美少女ゲーム大賞2016」ではキャラクター部門で1位に選ばれました。

 

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ジト目がかわいい飛鳥湊

 

おわりに

この世には「男の娘」が登場する美少女ゲームがまだまだあります。

 

ωstarの『美少女万華鏡 -罪と罰の少女-』は是非最後までプレイして欲しいですし、『夏色さじたりうす』の鬼和綾人や『俺の恋天使がポンコツすぎてコワ~い。』の沖恒まそらはとても魅力的な男の娘です。

 

長くなるのでこの辺で締めますが、最後に一つだけ。

 

「男の娘ヒロイン」にもしっかり個別ルートを作ってくれ!!!(切実な願い)

 

【25日目】古いエロゲを体験した話

この記事は、新歓ブログリレー25日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。

 

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挨拶

皆さん初めまして。ゆくとり(@mosoena)と申します。私は他大学に所属しているのですが、同年代の美少女ゲーマーを一目見たく、京美同に参加しました。

 

なんで、私が京美同に!?

 

他大学の人間でも入りやすいので、興味を持たれましたら是非参加されてはいかがでしょうか。

 

はじめに

私は美少女ゲームが好きですが、とりわけ00年代のちょっと古めの美少女ゲームが好きです。

 

美少女ゲーム同好会の新歓のブログということで、私が古い美少女ゲームにハマるきっかけを語りたいと思います。ハマるきっかけとなったゲームのタイトルは『AIR』です。

 

AIRとは

あらすじ

 

その町には夏が訪れていた。
バス停の前で人形を操るひとりの青年。その周りには子供が二人だけ。観客の興味を引くには、青年の芸は退屈すぎた。子供たちは興味を失い、その場を走り去った。
青年は旅のひと。彼の道連れはふたつ。手を触れずとも歩き出す、古ぼけた人形。
「力」を持つ者に課せられた、はるか遠い約束。

そんな彼に、話しかけるひとりの少女。 人なつっこく、無邪気に笑う。彼女との出会いをきっかけに、この土地での暮らしが始まる。

夏の情景に包まれて、穏やかに流れる日々。
陽射しの中で繰り返される、少女たちとの出会い。
夏はどこまでも続いていく。
青く広がる空の下で。
彼女が待つ、その大気の下で。

AIR公式サイトより

 

AIR』とは、Keyから2000年に発売された恋愛ADVゲームです。クオリティの高いシナリオと演出で、泣きゲー界隈では不朽の名作として知られています。

 

AIRの人気はすさまじく、2000年に発売されたゲームでありながら、定期的に色々なハードでリメイクが発売されており、昨年の2021年にもswitch版が発売されております。

 

key.visualarts.gr.jp

 

と、AIRについて紹介したものの、この記事ではAIR本編については言及しません。沢山の人がAIRをほめたたえているので、今更私が語ることでもないと思います。

 

この記事では、私がAIRを通じて得た知見について語ります。ですので、主観的な話がすべてです。

 

古の個人サイト

このAIRという作品、私としては読み解くのが少し難解な作品でした。そのため、プレイ後に「AIR ネタバレ」「AIR 解説」などで検索をかけました。

 

すると、古のオタク達が残してくれた、AIRについての解釈を述べている古い個人サイトに出会いました。

 

いまでこそTwitterや各ブログサイトなど、皆が見解を述べることができる場がありますが、個人サイトを用意してまで考えを表すという所に感服しました。サイトの節々から見える独特の味と熱量には筆舌に尽くしがたい面白さを感じました。

 

インターネットという無機であるものに対して温かみを感じた数少ない経験でした。

 

都市伝説(閲覧注意)

AIRには、本編とは別の『残酷版AIR』という作品が存在するという噂があります。本編のスクリーンショットをグロテスクにコラージュした画像が出回ったことから噂が広まり、現在でも残酷版AIRの存在は定かではないです。

 

残酷版AIRに関する話には、ろくなものがありません(本当にグロテスク)。そのため、はっきり言って調べるのはお勧めしません。

 

しかし、あるかもしれない幻の作品という話には、正直言って興味深いと感じました。

 

そもそも、どのような作品であっても、グロテスクなバージョンがあるという噂が広まることはないと思います。当時の未発達なインターネットだったからこそ広まった噂という感じがしますね。

 

重ね重ね言いますが、本当に調べないほうがいいです。

 

セカイ系

セカイ系という言葉を皆さんはご存じでしょうか。

 

美少女ゲームだけでなく、アニメやラノベの中のジャンルの一つです。定義としてはかなりあいまいでありながらも、オタク達の中では一定の共通認識として存在しています。

 

※『セカイ系』というジャンルの解釈の例

 ・エヴァっぽい作品

 ・Keyの美少女ゲームっぽい作品

 ・主人公の主観で述べられている作品

 ・世界の命運をかけたボーイミーツガール作品

 

多様な解釈が存在しながらも、今も沢山使われている言葉で、しばしば「○○という作品はセカイ系なのか?」という議論があります。

 

AIRセカイ系の一種であるといわれながら、誰かが解釈する『セカイ系』の条件を満たさないこともあります。

 

不思議な言葉ですね。

 

↓私が調べた範囲で、セカイ系に関して一番詳しく語っていた記事です。

dic.nicovideo.jp

 

おわりに

AIRという作品は、歴史が深いため、AIRにまつわることを調べるだけでも興味深い話がいくつも出てきました。

 

  • 自身の美少女ゲームの見解を載せるために作成された個人ブログ
  • たかが一つの作品である『AIR』にまつわる噂話
  • 解釈は人それぞれであるのにさる界隈では頻繁に使われるセカイ系という言葉

 

どれもとても目新しい体験でした。この経験から、私は古い美少女ゲームが一つの文化ですらあると感じ、ずるずるとハマっていった記憶があります。

 

美少女ゲームを作品として楽しむだけでなく、その作品にまつわる話などを調べると、新たな知見を得ることができるかもしれませんね。

 

【24日目】泣けるゲームに出会いたい!

この記事は、新歓ブログリレー24日目のものとして書かれました。他の新歓ブログはこちらからご覧ください。


kuvnlovers.hatenablog.com

はじめに

はじめまして、この春から3年になるモグリン(@mogurifessional)です。


他の方の記事を見るとエロゲに関して有用なことが書いてる記事が色々あるのですごいなと思いつつも、自分にはなにか人のためになる記事は書けないので完全趣味ガン振りな記事になります(まあ一人くらい完全なオタク語りでも大丈夫だろ)。


それでも大丈夫な方は最後までお付き合いください。


突然ですが皆さんは創作物で泣くほうでしょうか? それともめったに泣かないほうでしょうか? 


私は後者で、Twitterではしょっちゅう「~~で泣いてしまった」なんて呟いていますが、タイプしてるときは大概真顔です。


誤解しないでいただきたいのは別に感動しなかったり、キャラクターに感情移入しにくい質なわけではありません、ただ涙が出ることがほとんどないのです(オタク君発狂とか呻いたりはすぐする癖に……)。


そんなわけで私は長らく、自分は多分涙腺が石化してて感動しても泣かない質なんだと思っていました。


しかし、ある映画を見ていた時、本当に数年ぶりに泣いたことがありました。エロゲに関係するコンテンツではないためここでは深くは語りませんが、その時に私は自分が泣くためには非常に心揺さぶられる体験をしなければいけないことを知りました。


世の中探せば感動的な物語や不幸を乗り越えて幸せになる物語はいくらでもあります。


しかし、鬱が濃すぎるとそもそも気分が沈んで感動はしないしハッピーエンドでも安堵が強くなりすぎたり、かと言って幸せになる過程だけでは切なさが足りなかったり(まあこれらはそれはそれで楽しめるんですが)。


本当に心から感動する体験というのは、かなり得難いものだったのです。


まあなっがなが下らないこと書いてきましたがやりたいことはそんな中で私が本当に泣けたゲームを紹介したいだけです(この前書きいるか?)。

サノバウィッチ

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『サノバウィッチ』のホーム画面、これ18禁注意載せなくて大丈夫かな


え、この流れでゆずソフト!?(失礼)


ある程度やったことがある方にはわかると思うのですが、ゆずソフトキャラゲーの名作ブランドとして名高く、キャラクター同士の掛け合いや可愛さがメインで、シナリオはまとまりはいいがそこまで凝っているわけではない、ということが多いです。


まあ私も本編ちゃんとプレイしてるのは現在プレイ中なのも含めて2作、体験版込みでも4作だからそこまで詳しいわけじゃないけど。


実際、本作も半分くらいのルートは「キャラゲーだな」という印象で、私もプレイ途中までは「やっぱりゆずソフトのキャラクターはかわいいなー」くらいしか考えていませんでした。


泣かされたのはあるキャラクターのルート、ネタバレしたくないのでここでは細かいことは一切語りませんが、切なさのあまり号泣必至のシーンがあります、みんなやろう。

さくらの雲*スカアレットの恋

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『さくらの雲*スカアレットの恋』のホーム画面、人によってはこの画面だけでどういう感じのゲームかわかるらしい


2作目はきゃべつソフトより『さくらの雲*スカアレットの恋』、シナリオライターはミステリーとどんでん返しに定評のある冬茜トム。本作でも存分にその文才を振るってくれていて、伏線回収の衝撃でプレイヤーの頭をぶん殴ってくれますが、今作はそれだけじゃ終わりません。


こちらもネタバレしたくないので詳しいことは語らないのですが、キャッチフレーズの「百年の恋よ 萌え咲かれ」に違わぬ壮大さと切なさを抱いた感動作、ぜひともみんなやろう(2回目)。


以上です。「いや少なっ」と思った方もいると思うのですが、泣ける作品って本当に見つけるの難しいんだ……


感動度合いで言えば『さくら、もゆ。』とかのほうが高いと思うんだけど、先ほど述べた鬱が濃くて長すぎるゲームだとハッピーエンドでも「(キャラクターが)幸せになってよかった……」の安堵が強すぎるパターンで涙が出てこないんですよね~、難儀だ。

おわりに

人によってエロゲに求めるものは様々でしょうし、必ずしも「泣けるゲームが良いゲーム」というわけではないでしょう。ただ、泣くほど心動かされる体験、というのはこれからどんどん貴重なものになっていく気がします。


もし、エロゲをこれからやる人がいるのであれば、泣けるゲームを探す、というのも一つの楽しみ方にしてはいかがでしょうか。