京美同活動ノート

京大美少女ゲーム同好会のブログです。週1より早いペースでの更新が目標です

京美同1周年記念ブログ

 

はじめに

初めましての方は初めまして、京美同会長のYoujyo(@Youjyo_Biology)です。執筆者が集まらないため、前回に引き続き担当します。

 

本日2月19日に、京大美少女ゲーム同好会が設立1周年を迎えました。会員や関係者の協力なしでは、ここまで存続することもなかったと思います。ありがとうございました。

 

筆者は約1年間会長職をやっているわけでして、「もう1年経ったの!?」という思いと「まだ1年しか経っていないのか……」という思いが混在しています。色々大変なことはありましたが、充実した時間でした。

美少女ゲームをやるサークルの会長なのに、美少女ゲームをやる余裕がないってマジ!?

 

さて、今回のブログでは、1年目の活動報告と2年目の抱負を手短に書かせていただきます。活動報告は時系列に沿って行います。

 

活動報告

2022/2/19 京大美少女ゲーム同好会(京美同)設立

DiscordサーバーとTwitterアカウントを開設したのも同じ日でした。詳しい経緯は京美同の始動ブログで説明していますが、あまりにも文章が若々しいので読み返さないでほしいです。

 

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2022/3/10~4/9 新歓ブログリレー

担当者をリレーしながら、31日間ブログ記事を上げ続けました。今では考えられない狂気の企画ですね。今年も形式を変えて実施するつもりではありますが。

 

2022/4/10 対面新歓

京大の文学部控室でサマポケとさくレットの体験版範囲を鑑賞しました。マルチプレイ(物理)。

 

2022/4/24 大阪日本橋遠征

京美同としての初遠征でした。

 

2022/5/5 みやこそふと設立

京美同内で初期メンバーの募集を行い、設立されました。詳しくはみやこそふとの始動ブログをご覧ください。

 

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2022/5/15 大阪日本橋遠征

再び日本橋へ。きゃべつそふとCafeに行きました。

 

2022/8/2~ みやこそふとブログリレー

みやこそふとメンバーが担当の仕事について語る企画です。なぜか今に至るまで終わっていません。

 

2022/8/13~14 C100一般参加

冬コミの下見も兼ねて一般参加し、途中で会員数名と合流しました。

 

2022/8/15 秋葉原遠征

夏コミ後、関東圏では初めての対面例会を実施しました。

 

2022/8/27 神戸遠征

神戸に点在する美少女ゲームの聖地を巡礼しました。

 

2022/11/7~12/25 冬のブログリレー

恒例のブログリレーです。新歓ブログリレーで懲りたのか、期間中は毎週月曜日に投稿していました。

 

2022/11/19~20 NF参加

設立当初から制作を進めていた会誌第一号を、NF(京大の11月祭)で頒布しました。

 

2022/12/31 C101サークル参加

先述の会誌第一号とみやこそふとのフライヤーを、冬コミで頒布しました。初参加で完売という結果は予想外でしたね。

 

今後の抱負

現在、在庫切れになった会誌第一号を増刷し、通販を含めて追加販売を行う準備をしております。また、第二号についても制作予定であり、新たな特集記事の企画中です。

2年目も、より多くの方に活動内容の一端を届けられるよう尽力して参ります。

 

みやこそふとの公式Twitterアカウント(@MiyakoSoft)では、1st project『電子カルテと木曜日』の最新情報を発信していきます。近日中に報告があると思います。

 

京美同内部においては、会員同士の交流を活性化させることを目標に、「大多数にとって楽しいサークル活動とは何か」ということに向き合う1年にしたいですね(あと、さっさと会長職を譲るべき)

 

京大の美少女ゲーム系サークルは設立と崩壊を繰り返してきた歴史があるため、京美同がその流れを断ち切り、筆者がいなくなった後も2年、3年と存続するサークルになれば嬉しいです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

P.S. 会員からのメッセージを掲載します。

「新参者ですが一周年おめでとうございます。会誌第二号、頑張ってまいりましょう。」

 

ベスト美少女ゲーム2022

 

はじめに

初めましての方は初めまして、京美同会長のYoujyo(@Youjyo_Biology)です(使いやすいように名義変更しました)。

 

昨年末、京美同は冬コミに初参加し、会誌第一号が完売ということになりました。お買い上げいただいた皆様、ありがとうございました。現在は第二号の制作を予定通り進めており、発行部数や特集記事の内容、扱う作品の年代について議論しています。

 

みやこそふと(@MiyakoSoft)の同人ゲーム制作も含め、公式アナウンスが滞ってしまい申し訳ありません。鋭意制作中の『電子カルテと木曜日』は素晴らしい作品になるポテンシャルを秘めていますが、実際そうなるかはこれからの頑張り次第です。頑張ります!

 

ベスト美少女ゲーム2022

さて、今回のテーマは「ベスト美少女ゲーム2022」です。書くタイミングが遅いですね。

京美同のDiscordサーバー等でGoogle Formsを用いたアンケートを行い、計18件の回答を得ました。質問内容は以下の通りです。

 

・2022年発売の美少女ゲーム(エロゲ・ギャルゲ)の中で最も良かった作品は?

・2022年発売の美少女ゲーム(エロゲ・ギャルゲ)の中で二番目に良かった作品は?

・2022年発売の美少女ゲームソング(OP・ED・挿入歌)の中で最も良かった曲は?

・2023年発売予定の美少女ゲームの中で最も期待する作品は?

 

順番にアンケート結果を見ていきましょう。

 

2022年発売の美少女ゲーム(エロゲ・ギャルゲ)の中で最も良かった作品は?

 

1位 ジュエリー・ハーツ・アカデミア(4票)

冬茜トムシナリオのきゃべつそふと作品です。筆者は冬コミのついでにアキバで買ってきました(中古3000円ってマジ!?)。

シナリオのギミックは健在、物語構成については賛否両論という印象ですが、真偽のほどは自分で確かめるしかありませんね。

『あまいろショコラータ3』も楽しみです。

 

2位 終のステラ(2票)

滅びてゆくこのステラ~~~~♪

このゲームのクオリティは本物です。

挿入歌のシーンが性癖に刺さった。あのシチュエーションはえっちすぎる。アンドロイド美少女に泣きながら銃を向けられる(ネタバレ注意!!)とか人類の夢だろ。

フィリアとデリラの装いも冷静に見るとエロい大胆なので、これはエロゲです、エロゲ。読み進めるうちに、ジュードの思考とか人となりも愛しくなってきますよね。

あ、もちろん健常者にとっては王道の感動作品なので、万人に勧められますよ。

 

https://key.visualarts.gr.jp/kinetic/stella/common/image/stella_character_1_2.jpg

 

https://key.visualarts.gr.jp/kinetic/stella/common/image/stella_character_4_3.jpg

 

時間ができたら、終のステラの感想ブログを書きたい。

 

2位 ヘンタイ・プリズン(2票)

普通に1位だと思ってました。票数が集まれば1位に躍り出るでしょう。

良い作品なのは知っているけど、負けた気がするので履修したくない(オタク特有の逆張り)。長いし。

ヘンプリやれ」とDMが来ない限り、やるつもりはありません。

 

2022年発売の美少女ゲーム(エロゲ・ギャルゲ)の中で二番目に良かった作品は?

 

1位 ハミダシクリエイティブ凸(4票)

『ハミダシクリエイティブ』のファンディスクです。二番目に良かった作品として名前が挙がるのは良作の証。

同期の『サメと生きる七日間』の名前が全く挙がらなかったのは意外でした。知名度の差か……

 

2位 ヘンタイ・プリズン(2票)

妥当。

 

2022年発売の美少女ゲームソング(OP・ED・挿入歌)の中で最も良かった曲は?

 

1位 一冊のアロー(6票)

『ハミダシクリエイティブ凸』のOPです。圧倒的一番人気だったので聴きに行ったところ、やはり概要欄に「作詞・作曲・編曲 堀江晶太」の文字が……!

ハミクリのイメージがガラッと変わりました。

 

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2位 one of a kind(2票)

蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2』のOPです。PVでみさきサンがそそる素晴らしい表情をしていたことしか記憶にない。いや、曲単体で聴けば好きな部類ですよ。

あおかなEX2が前二つの質問でランクインしなかったのは残念。

 

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2位 breaking light(2票)

『AMBITIOUS MISSION』のOPです。音ゲーに移植しても違和感なさそうな曲で、譜面の脳内再生は余裕でした。間奏気持ち良すぎだろ!

 

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2023年発売予定の美少女ゲームの中で最も期待する作品は?

 

1位 天使騒々 RE-BOOT!(9票)

知 っ て た。

ご存知、ゆずソフト最新作です。『PARQUET』から2年、『喫茶ステラと死神の蝶』から4年、長かった……!

業界大手だからこそ、ユーザーが作品に求める要素が固定化し、新しい要素を取り入れづらいという苦悩があったようにお見受けします(勝手な想像ですが)。キャラデザやCGの構図、ラーメンネタなどを見るに、過去作を踏襲する方向に落ち着いたっぽいですね。

筆者はセンターヒロインがロリなので即予約しました。

 

2位 サクラノ刻(2票)

意外と票数が少ないのは、今年中に発売されないことを危惧して投票を見送った説。先日マスターアップしたみたいなので、杞憂でしょう、たぶん。

SCA自先生のツイートやブログを見ていると、内部事情ダダ漏れで不安になりますね。文句を言いたくなる気持ちは分かるが……

 

おわりに

『終のステラ』OPの『breath of stella』がランクインしなかったのは誠に遺憾です。

間奏後の転調がさァ! アウトロのモールス信号がさァ! 2番ラストの歌詞がさァ!!

 

全人類聴いてくれ。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

P.S. このブログは試験前日に徹夜で飲みながら書きました。まずいですよ!(全てが)

 

【8日目】メーリークリスマス!! なので、ナツユメナギサをやりましょう?

この記事は、冬のブログリレー8日目(8回目)のものとして書かれました。他のブログはこちらからご覧ください。

 

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どうもみなさんこんにちは。ぼーずと申します。多分、記事書くのは初めてなので、初めましてです。

 

クリスマスですね!! どうです(でした)か?????? 土日にちょうどかぶってるし、友人、先輩、家族、大切な人と特別なことがさぞしやすいんでしょうなあ。ちなみに僕はバイト(2連勤)。バイト終わったら課題。大学一年生最高のスタートダッシュですね。

 

今回は、クリスマスにちなんだ作品紹介をしていこうと思います。紹介する作品は『ナツユメナギサ』です。

 

 

ごめんなさい。冬だし、はつゆきさくら10周年だしで、逆張りしたかったんです。でも、クリスマスは関係のある作品なのでもう少しだけ読んでくださいお願いします……

 

そこそこ作品の雰囲気について話すので、情報無しでやる予定だよ~って方は今すぐブラウザバックしましょう。

 

あらすじとその他紹介

舞台は常夏の街、臨海副都心『hope』
ヒマワリと夏の花が街中に植えられ、美しい蝶のような妖精が舞い、ときどき、野良ペンギンが街中を歩く不思議な人工島。
浜学園2年生『渚』は、街の浜辺に流れ着いた、過去を持たない少年。
真夏のクリスマスを1ヶ月後に控えのんびりとした日々を過ごしていた渚は、少女たちと出会う。やがて記憶の向こうにいる大切な人と、真実の自分の姿を見つけていく。
君がいた夏。君がいない夏。君といる夏
3つの異なる夏を過ごしながら…。
臨海合宿をしたり。気になるあの子と無人島に流されたり。水着姿でみんなで騒いだり。
そんな、淡いノスタルジーを通して、長い夏の果てにたどりつくのは、一体どんな記憶だろう。
(ナツユメナギサ公式サイトより)

 

ほら!! あらすじに露骨にクリスマスってありますよね!! 最近の寒さに飽き飽きしてる方、真夏のクリスマスはいかがですか?

 

この作品はサガプラ四季シリーズの夏枠として数えられている作品です(はつゆきさくらは冬枠ですね)。合計6人のシナリオライターが携わっています。ヒロインは5人です(シナリオライターでヒロインが割り切れません)。

 

ライターは多いのですが、シナリオはしっかりとまとめられていて、グランドルートで判明する各登場人物の立ち位置には驚かされるところも多く、最後に点と点がつながるしっかりと楽しめる作品になっています。批評空間風に言うと、”オールクリアに価値あり”の作品です。

 

特に、最近話題の『新島夕トリビュート』で取り上げられていた新島夕氏もこの作品のシナリオライターの一人です。今の新島夕氏の夏といえばサマポケだったりするかもしれませんが、この夏も面白かったですね。サマポケに近しいメッセージも感じられましたし、どこかひな型になっているのかもしれません。

また、『bampy-Jumpy!』でも有名ですね(個人的にはグランドエンディングがかなり気になっているのですが……)。

 

この作品は、あらすじにもある通り、記憶を失くした主人公が4人のヒロインと夏を過ごしていくお話です。あと1人のヒロインは特殊な立ち位置です。

 

各個別ルートが終わると、主人公の思い出が少し解放されるシステムとなっています。全部終わると、いろいろ明らかになってきます。そして、記憶を失くした人物が主人公でもあることから、本筋では記憶、思い出、そして自分とは? がカギになってきます。

 

君がいた夏、君がいない夏、君といる夏」というキャッチコピーはそこらへんも踏まえてのことでしょう(多分)。それにしても、このキャッチコピーいいですよね、夏には似合わない切なさを感じます。


ちなみに、この作品巷ではウツユメナギサと言われているらしいです。先ほど夏を過ごすと書きましたが、ただイチャイチャしながら過ごすというわけではないです。さも当然かのごとく、何かヒロインサイドに問題があります。そして、だいたいが重い

 

ただ、最後まで読み終わった後に得られる感情を僕は真っ暗なものだとは思いませんでした。鬱ゲーではないと思う。まあ、そういうの苦手な人はプレイするときにはお気を付けて……

 

この作品は夏を過ごしながらヒロインの問題を解決するという感じで、展開が様々な方向に転んでいます。全部書くのは大変なので最後に一つ僕の好きな個別ルートを紹介して終わりたいと思います(若干の物語前半のネタバレになるので、見たくない人は自衛してね)。

 

美浜愛してる! と叫びなさい!!

 ブログのタイトルのメーリークリスマスの最初の謎の長音は羊とかけていたってさ


この作品なんといっても最強個別ルートが存在しています。今年、僕がやった個別ルートで一番好きなルートです(だから年末にこの記事を書いたってのもあります)。


さて、みなさんはどういった話が好きですか? 僕は男女二人の心がぶつかり合う展開や「好き」という感情が前面にめちゃくちゃ出てくる熱い場面が大好きです(感情バトルしようぜ! 感情バトル!!)。

 

こういう感情的な展開、恥ずかしいことを簡単に言ったり、周囲さらには自分すらも見えなくなる登場人物に嫌気がさしてしまう人もいるかもしれません。

実際、僕もそうなのですが、それは自分があくまで第三者として物語を上から眺めている意識があるからで、物語に完全にハマったときに、こういう展開はものすごい火力になります。諸刃の剣といった感じですね。いまからご紹介するお話もつまりはそういうことです。


では、美浜羊ルートの前半について簡単に説明しましょう。

彼女は猫をつれている訳アリのような家出少女の後輩ヒロインです。そして彼女は、とにかくしつこい性格です。ずっっっっっと主人公にベタベタしてます。初めはベタベタしてくるなあと若干困っていた主人公ですが、猛アタックするヒロインにたいして、少しづつ惹かれていきます。

 

そして、図らずともあるとき彼女にそっけない対応をされたことから主人公との関係が発展します(押してダメなら引いてみろってことですね)。カップルになった後は予想通りバカップルみたいなことをやっていたわけですが、あるとき彼女が不穏な言葉や様子を見せ始めます……

 

ここまでが前半です。ヒロインはなぜ家出しているのか。その正体はなんなのか。主人公はヒロインの抱える問題を解決することができるのでしょうか(「問題」について触れるとかなり核心に踏み込んでしまう気がするので、ここでは話しません)。


このルートは一言でいうと、「好き・愛」一辺倒のルートだと思います。いたるところに好きがある。まず、上で述べた通りヒロインのアタックが激しくて、いつのまにかヒロインが気になってしまうというところ。そして、ちゃんとお互いに好き合っているんだなあという描写からヒロインに思い入れが増したところ。

 

そんなこんなしてると、すごい緩急で物語が進んでいきます。「ヒロインに愛着を持たせてから無茶苦茶にすること」がこのルートはとても上手だなあと思いました。プレイする際は、共通ルートと前半と後半での主人公とヒロインの構図の変化にも注目してほしかったりします。

 

そして、ヒロインも主人公も心を強くぶつけ合うシーンがあって、それがいかにも王道のような展開だったのですが、すごい盛り上がったし、たまんなく胸に響いた。熱くなった読み手が言って欲しいことをそれ以上にしてバシバシ言ってくれる主人公は見ていて気持ちがよかったし、もっと熱くなれた。

 

このヒロインは、いい意味でも悪い意味でも面倒くさいなあと共通ルートから思っていましたが、後半の面倒くささは、それまでとのギャップからかなり引き込まれるものがあったし、このヒロインを幸せにしたいと心から思ってしまうお話でした。

懐いてくるちょっとめんどくさい後輩が大好きな人、愛というテーマで熱くなりたい人には是非お勧めしたいです。

 

 

 

 

 

 

 


羊ぃぃぃぃぃぃぃ愛してるぞぉぉぉぉぉ

 

 

 

 

 

 

こんなんたくさん飛び交うルートです。急に言うと恥ずかしいですね。でもそれがたまらない……

では、このブログを終えたいと思います。最後に、公式サイトから拾える美浜羊のサンタコスです。本編でも見れます。エッチもあります(本質情報)。では、よいクリスマスを!!

 

 

このページの画像の一部は、ソフトハウス『SAGAPLANETS』の作品の素材を使用しています。これらの素材を転載することを禁止します。

 

【7日目】今いる世界にさよならしないか? ——『ユメミルクスリ』ねこ子ルートのすすめ

この記事は、冬のブログリレー7日目(7回目)のものとして書かれました。他のブログはこちらからご覧ください。

 

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はじめに

初めましての人は初めまして、初めてじゃない人には初めません。大佐(@taisa_two)です。今回の記事は2005年にrúfから発売された『ユメミルクスリ』についてです。

 

パッケージ画像。左から順にあえか、弥津紀、ねこ子。

 

核心的なネタバレはしないように書きますが、都合上後半部分も少し説明しているので、気にする人は読まずに買ってプレイしてください。というより、プレイしてもらえるのであればこんな記事を読む必要はないと思います。時間を有効活用しましょう。

 

さて、『ユメミルクスリ』には、白木あえか、桐宮弥津紀、ケットシー・ねこ子の三人の攻略ヒロインがいます。そしてこの三人のヒロインはそれぞれ問題を抱えていて、例えば白木あえかはクラスメートに陰湿ないじめを受けており、桐宮弥津紀は才色兼備ながら、刹那的にしか生きられないという欠点を持っています。

 

弥津紀とあえかのルートも刺さる人にはすごく刺さる良いルートなのですが、今回は僕がやってきた美少女ゲームのなかで最も好きなルートである、ケットシー・ねこ子ルートに絞って書いていきます。

 

透明な人のためのゲーム

さて、突然ですが、みなさんは自分の色を持っていますか? これだと漠然としているので言い換えるなら、「これが自分だ」という確固たる軸を持っていますか?

 

自信を持ってYESと答えられる人もいるかもしれません。それはとても偉いことだと思います。しかし、本作の主人公、加々見公平は自身をレールに乗った、透明な存在だと表現します。僕は『ユメミルクスリ』を、まさにそんな人のためのゲームだと思っています。

 

主人公と同じように、別に不幸というわけでもない、むしろ毎日それなりに楽しくやっている。でも時々そんな自分が"その他大勢"であることに虚しさを感じる……そういう思春期の悩みを、エロゲがやれる年齢になっても抱えてる人は結構いるんじゃないでしょうか。

 

イカれた女と夜の街

それに比べてケットシー・ねこ子は、濃い。具体的には、へんてこりんな服を着て、自分は妖精だとのたまい、繁華街を徘徊している……どう考えても頭がおかしいヤバ女だけれど、普通の人にはないものを確かに持っている。

 

妖精らしいです

 

それはなぜかといえば、アッパー系のドラッグを常用しているからです。ねこ子は単なるヤバ女じゃなくて、ヤク中のヤバ女でした。

 

普通ならこんな娘に近づかない方がいいし、関わりを持つにせよ、常識的には警察に突き出すべきです。でも、例えクスリで無理矢理作られたものだったとしても、危うさも含めて、その強烈な個性は僕のような人間を魅了してやまない。

 

皆さんも一度は「頭のおかしい女の子と、深夜の街を徘徊したい」と願ったことがあるんじゃないでしょうか? オタクは夜に生きる存在ですし、イカれた女の子が大好きですからね。その願いを、ねこ子ルートは完璧に叶えてくれます。

 

ストーンヘンジ(盗難墓石製)

 

例えば上の画像はサンプルCGから引用してきたものですが、墓石を集めてストーンヘンジを作り、その上で踊り狂っています。意味不明ですね。狂ってます。しかも冷静に考えると倫理的に問題がある、どころか多分犯罪と思われることばかりやっているんですが、不思議と許せるというか、楽しくなってくるんですよ。

 

彼女の行動に辟易しつつも振り回されてるうちに、この子と一緒なら、どこまででも行けそうな気がしてくる。それが凄く楽しいんです。

 

夢見る世界にさよならしようか

でも、結局は「気がする」だけなんですよね。そんな楽しい時間がいつまでも続くわけがない。やっぱりいつかは夢から覚めないといけない。それがクスリで無理矢理作った夢ならなおさらです。

 

結局、クスリが原因で騒動になってしまうのですが、そこでの大人達の反応を見た主人公の行動が格好いい。恐らく世間的には褒められる行為ではないんですが、自分はグッときてしまいましたね。

 

そしてその後、二つのENDに分かれるのですが、どちらもそれぞれの良さがあって素晴らしい! 二つのENDを仮にノーマルENDとトゥルーENDと名付けることにすれば、ノーマルENDの方は幻想的で美しいです。このENDの方が好きという人もよく見かけます。実際、僕も初回プレイではこちらの方が好きだった記憶があります。

 

対してトゥルーENDは、彼女の成長が感じられるENDです。特にラストシーンの会話からエンディング曲への入りが最高で、何度も思い返しては涙腺が緩んでしまいます。

 

トゥルーENDでは、当然薬物の使用は否定されるにせよ、ねこ子は否定されないところが素晴らしいと思います。結局どちらのENDでも、ねこ子ルートは、最後までねこ子のルートだった。たとえ"夢"から覚めても、そこでの大切な経験は残る。これが僕がねこ子ルートを好きな一番の理由なのだと思います。

 

おわりに

少し人を選ぶかも知れませんが、僕にねこ子ルートがクリティカルヒットしたように、『ユメミルクスリ』は刺さる人には最高に刺さるゲームです。ちょっと癖のあるヒロインが好きな人や、ダウナーなゲームが好きな人は是非やってみてくださいね!

 

【6日目】恋愛SLGのすすめ

この記事は、冬のブログリレー6日目(6回目)のものとして書かれました。他のブログはこちらからご覧ください。

 

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はじめに

こんばんは、cyan(@lilaprikose)です。最近はパワポケ12をプレイしています。

 

突然ですが、みなさんは普段どんなゲームをプレイしていますか? おそらくみなさんの多くは恋愛ADVやビジュアルノベルといったゲームをプレイしていると思います(このブログを読みに来てくださっているので)。

 

というわけで今回は少し趣向を変えて、恋愛シミュレーションゲームについての紹介をしていきます。恋愛ADVとはまた違った良さがあって面白いので、ぜひこの機会に恋愛SLGを始めてみましょう!

 

恋愛シミュレーションゲームとは

恋愛シミュレーションゲーム(以下「恋愛SLG」)とは、簡単にいえば恋愛をシミュレートするゲームですね。まあ明確な定義は特にないので、ゲームによってそのシステムはかなり異なることもあります。

 

恋愛ADVとの違いは自由度が高くゲーム性が強いところです。ADVでは選択肢によっていくつかのルートに分岐するのに対して、多くのSLGではプレイヤーの行動によってパラメータや好感度を上げたり、町を徘徊してさまざまなイベントを起こしたりして、最終的にはそれらの行動に応じたエンディングを迎えます。

 

その魅力は何といってもゲームへの没入感でしょう。主人公=プレイヤーとして行動を選択し、ヒロインとの関係を築いていきます。また、やりこみ要素も多く何周もプレイしてやっと攻略できるようなキャラクターもいて、ヒロインへの愛着も湧きやすいです。

 

説明はこのくらいにして、ここからは私のおすすめ恋愛SLG(非18禁)をいくつか紹介していきます! 有名なゲームばかりなので誰でも楽しみやすいと思います!

 

ときめきメモリアル

ときめきメモリアル2

 

累計100万本以上売り上げた伝説のギャルゲー、『ときめきメモリアル』の第2作。1999年にPlayStation向けに発売された。

 

もはや説明不要な気もしますが一応あらすじ。

主人公は、ひびきの高校に入学する1年生。「卒業式の日、告白の時に校庭にそびえ立つ時計塔の頂上についている伝説の鐘の音に祝福されたカップルは永遠に幸せになる」という、ひびきの高校の伝説を聞き、女の子と付き合うことを目指して3年間を過ごしていく。

 

攻略対象キャラクターは13人(隠しキャラも含む)。基本システムは前作を踏襲しており、平日コマンドと休日コマンドをそれぞれ選択することで、主人公のパラメータを上げたり女の子とデートをしたりすることができます。

 

前作に比べて各ヒロインとのイベントが作りこまれているだけでなく、幼少期編などのミニゲームも追加されており、全体的に非常にプレイしやすくなっています。

 

アマガミ

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2009年にエンターブレインよりPlayStation 2向けに発売された恋愛SLG。後にPSP、PS Vita向けに移植された。

 

あらすじ。

高校2年生の主人公は恋愛に苦手意識をもっていたが、クリスマスを女の子と一緒に過ごすため約40日間のうちに彼女を作ることを決心する。

 

プレイヤーは「休み1」「休み2」「昼休み」「放課後」のそれぞれの時間帯に「行動マップ」から行動を選択します。また、会話モードでは女の子に合わせて話題を選択することによって好感度を上げるシステムとなっています。

 

攻略ヒロインは全部で7人で、どのキャラクターも個性豊かであり、それぞれのシナリオもかなり凝ったものとなっています。好感度とフラグによって「スキ」「ナカヨシ」「ソエン」という3つのルートに分岐し、そこからさらに複数のエンディングが用意されています。

 

どのイベントも非常によくできていて、特定の条件下でしか発生しないイベントも多く、なかにはかなり心苦しいような展開のイベントもあったり、複数のヒロインを同時に攻略することもできたり、やりこみ要素の多いゲームです。

 

ラブプラス


2009年にニンテンドーDS向けに発売された恋愛SLG。従来のヒロインと付き合うことを目的としたゲームとは異なり、恋人となって付き合いを楽しむことをメインとしていることが斬新で話題となった。

 

主人公は高校2年生であり、100日の間で3人のヒロインと出会って関係を深め、そのうちの一人と付き合ってその後はひたすらイチャイチャするゲーム。

 

3人のヒロインはそれぞれ高嶺の花の同級生、ツンデレな後輩、大人な先輩という王道の属性で全員魅力的ですね。ゲームはDSの縦持ち3Dグラフィックとなっており、ヒロインのしぐさや行動がいちいちあざとくてかわいい。

 

ヒロインとの会話中などに出てくる選択肢によってヒロインの行動やイベントが変化するだけでなく、ヒロインの髪型や服装、性格が変化していくため、同じヒロインでもほかのプレイヤーとは異なる自分だけの彼女に成長していくというのがとても良い。

 

また、DS本体の時計と連動した「リアルタイムクロック(RTC)」という機能もあり、ゲーム内の時間と現実の時間をあわせて、リアルタイムでヒロインとのイチャイチャ生活を楽しむことができるという点も斬新で面白いですね。

 

ドリームクラブ ZERO

DREAM C CLUB ZERO(ドリームクラブ ZERO)

 

2011年にXbox 360向けに発売された恋愛SLG。のちにPS Vita、PS3にも移植された。前作『ドリームクラブ』の約半年前という設定となっている。

 

あらすじ。

主人公であるプレイヤーは“ピュアな心の持ち主だけが入店できる大人の社交場”「DREAM C CLUB」の会員となり、1年間その店の「ホストガール」と恋愛をしていく。平日は仕事でお金を稼ぎ、休日は「DREAM C CLUB」に通って女の子との仲を深めていき、楽しい時間を過ごすゲームとなっている。

 

ヒロインは全部で13人で、店でホストガールを指名することによってその女の子と一緒に過ごすことができます。ホストガールごとに好きなアイテムやプロフィール情報が設定されており、そのホストガールに合ったアイテムやお酒を買ってあげたり、会話を選んだりすることによって好感度が上がります。

 

カラオケなどのミニゲームもあるだけでなく、ホストガールと仲良くなると店の外で(プライベートで)デートができるようになって、さまざまなイベントが楽しめます!

 

このゲームも3Dグラフィックとなっており、ヒロインとの距離感が非常に近く感じられてとてもおもしろいです。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。少しでも恋愛SLGに興味をもっていただけたなら幸いです。

 

一人のヒロインに時間をかけて楽しんだり、すべてのイベントをコンプリートしたり、いろいろな楽しみ方ができるのが恋愛SLGなので、みなさんもぜひ自分に合ったスタイルでゲームを楽しみましょう!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

【OP担当編】OPテーマ『Harmonia』の話【みやこそふとブログリレー】

初めまして! みやこそふとOP担当のなずしろ(@nazushiro)です。
曲を作っています。

他の人の記事はこちらから↓

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前回から少し間が空きましたが、みやこそふとブログリレー第6弾です。
みなさん、『電子カルテと木曜日』のティザーPVはもうご覧になりましたか?

 

 

ということで、私の記事はこちらの動画と合わせての公開となりました。
この動画で流れているのが『電子カルテと木曜日』OPテーマの『Harmonia』です。


私は作詞作編曲、そして歌を担当しています。MIXはnion(@Kaj_KUS)にしていただきました。ありがとうございます。

まずティザー部分の歌詞を載せます。↓

 

触れた温度さえ分からなくて
夢の余韻だけを感じてる
いつかの夜 交わした約束が
私をそこへ導いていた
0か1かしかないのならば
君はどちらを選ぶのだろう
忘れた春の向こう
それでも君の手を離さないよ


シナリオ担当のお話をもとに書いており、プレイ前にもプレイ後にも聴いていただきたい歌詞になっています。内容についてあまり語ってしまうとネタバレになるのでやめておきます。

タイトルの読みは「ハルモニア」です。

音楽面について。動画ではサビ~アウトロが聴けます。プロットを読んで最初に作ったピアノフレーズがアウトロの元になっており、そこからサビを作って、いろいろと増やして今に至ります。

 

作品の世界観に合わせたほどよくダークな曲調で、作っていてとても楽しかったです。サビ頭のコード進行が4236なのですが、2のおかげで良い感じになっていると思います。

 

楽器構成はピアノ、ストリングス、アコースティックギターエレキベース、ドラム、あとはサビにコーラスを入れていたり、アウトロにホワーンという感じの壮大な音を入れていたりします。ドラムの打ち込みはnionが手伝ってくれました。

ちなみに私は楽器が上手くないので、画像のような画面(ピアノロール)にマウスでぽちぽち音を置いて作っています。横軸が時間、縦軸が音程になっていて、赤い棒を置くと音が出ます。この画面はサビのピアノですが、手が3本ないと弾けない気がします。

ピアノロールの様子

 

歌唱について。私の音域に合わせて、全体的に高めのメロディーになっています。自分で作ったにもかかわらず、高低差が激しくて歌いづらかったです……

「それでも君の手を離さないよ」はかっこよさ、力強さのある歌い方になっています。ハモリもこだわっているのでよく聴いてみてください。

OPテーマ『Harmonia』、今回はティザーPVゆえに短い尺でしたが、ゆくゆくはOPムービーで1コーラス、さらにフルコーラスが聴ける機会もあるかも?

ということで、楽しみにしていただけると嬉しいです。


他メンバーの充実した記事に比べると控えめな量になってしまいましたが……その分たくさんティザーPVを観ていただければと思います!

立ち絵やキービジュアルの可愛さはもちろん、背景や細かい演出からも作品の雰囲気が感じられる素敵な動画になっています。アウトロで流れている文字もよく眺めてみると面白いと思います。

 

今後も制作の様子や諸々のコンテンツが公開される予定なので、ぜひご覧ください!
最後までお読みいただきありがとうございました。

 

【5日目】エロゲメーカーの試行錯誤

この記事は、冬のブログリレー5日目(5回目)のものとして書かれました。他のブログはこちらからご覧ください。


kuvnlovers.hatenablog.com

 

 

はじめに

みなさんこんにちは。ゆくとり(@mosoena)と申します。普段は00年代のビジュアルノベルをプレイしています。今回は京美同ブログリレーにて、そこらへんの話をさせていただきます。


ビジュアルノベルゲームには、約25年ほどの歴史があります*1。その歴史のなかで、様々なトライアンドエラー、そして淘汰と存続がありました。


この記事では筆者が知っている、美少女ゲームにおけるメーカーの試みとその結果について述べていこうと思います。

 

ねこねこソフト 銀色-完全版- 

 

このソフトは、2000年にねこねこソフトより発売された美少女ゲームです。「銀糸」という、何でも願いが叶うと言われているアイテムをテーマに、オムニバス形式の4章で話が展開されています。とても読みやすく、初心者にもおすすめしやすいゲームです。


さて、こちらのゲームの試みというのが、英語音声のオプションをつけたことです。

この銀色に関してですが、ねこねこソフト側は「ビジュアルノベルとして徹底的に映画を意識した作り!」と銘打って発売しています。

私的な解釈ですが、グローバルに展開することを意図して、映画を意識したシナリオや演出をしていく過程で、英語音声をオプションでつけた方が映画っぽいから英語音声をつけたと考えます。

 

結果として、後にリリースされた完全版では英語音声のオプションは無くなりました。一応、英語字幕はあるのですが、音声自体は日本語のままでした。

 

銀色 旧版 パッケージ裏

 

完全版でも一応日本語か英語かを選べる

 

理由は定かではありませんが、純粋にゲーム全体の雰囲気にそぐわなかったから消されたのでしょうか?

 

余談なのですが、銀色で使われていた英語フォントが2バイト文字だったので、当時の英語版Windowsではそもそも表示できなかったようです*2。本末転倒で少し面白いですね。

こういう、先人達の努力の跡が垣間見えるのが、古い美少女ゲームの魅力の一つかもしれません。

 

*3

科学アドベンチャーシリーズ

 

科学アドベンチャーシリーズといえば、説明が不要なほどに有名かもしれませんが、説明をさせていただきます。

5pd(現MAGES.)とニトロプラスがコラボして発表された科学アドベンチャーシリーズ、比較的有名なのだとSteins;Gateでしょうか。シリーズの作品を全部列挙すると、『ChaoS;HEAdシリーズ』『Steins;Gateシリーズ』『Robotics;Notes』『CHAOS;CHILD』『ANONYMOUS;CODE』です。(ANONYMOUS;CODEはあんまり知らないからこの記事では扱いません。)


実はこれらのゲームは、純粋な2〜3択を選んで、それによってルートが変わるというシステムではありません。都度に出てくる選択方式やフラグ管理がかなり特徴的です。

科学アドベンチャーシリーズ 分岐 

 

CHAOS;CHILDChaoS;HEAdシリーズでは、その時の主人公ないしは我々プレイヤーが抱く感情(ポジティブかネガティブか)を選択することで分岐をします。
Steins;Gateシリーズでは、一定のタイミングで電話をかけたりメールやLINE(ゲーム内ではRINE)に返信することで分岐します。
Robotics;NotesではARアプリやゲーム内SNSで返信することで分岐します。
このように、世界観を重要視したような選択方式をとっています。


こちらも私的な解釈ですが、元々、紙芝居と揶揄されてきた*4美少女ゲームにアクセントとなる要素を入れようと試行した結果、このような独特な分岐方式を入れたのではないでしょうか。

 

feng 星空へ架かる橋

 

こちらは2010年にfengから発売された発売された美少女ゲームです。fengといえば、ロープライス美少女ゲームの『セイイキシリーズ』などで有名ですが、一体どのような試みをしたのでしょうか。

それはバイノーラル音声をゲーム内ボイスで使ったことです。

 

音声作品をFANZAなどで買い漁っている美少女ゲーマーなら、一度は夢想したことがあるのではないのでしょうか。

 

『あぁ……バイノーラル音声の美少女ゲームがあればなぁ……。』

 

バイノーラル音声とは、平たくいうと、ありえないくらい音を拾うマイクを用いることで、聞いている側は喋っている人の距離感や位置を感じることができて、臨場感を楽しめる音声のことです。

 

この技術が美少女ゲームに輸入されれば、あのヒロインやそのヒロインが、まるで私たちの隣にいるかのような感覚を味わうことができ、最高の体験になるのではないでしょうか。

 

結果として、バイノーラル音声を用いたエロゲは流行りませんでした。

毎度のことながら私的な解釈ですが、そもそもこのゲーム自体が2010年にリリースされたので、当時は今ほどバイノーラル音声が流行っていなかったこと、音声に没入するためにはスクリーンの光が邪魔なことなど、様々な要因が考えられます。


実際には、流行らなかったというだけで、バイノーラル音声が使われている美少女ゲームは時々リリースされています。気になる方はプレイしてみてください。

 

https://togetter.com/li/1521342
↑これは、フリー声優の方が美少女ゲームとバイノーラル音声について考察している一連のツイートをまとめてあるものです。この記事を書いてから見つけましたが、とても興味深い内容でした。

 

おわりに

古い美少女ゲームを漁る楽しさの一つが、美少女ゲームの歴史が集積していく過程を見られることだと私自身は考えています。この記事で、古い美少女ゲームに興味を持たれた方が一人でもいましたらこの上なく幸いです。もし、質問や話したいことなどありましたら、私のTwitterまでご連絡ください。


また、美少女ゲームに興味があって、誰かしらと語り合いたい、美少女ゲームのグループに属してみたいという方がいましたら、京美同(京大美少女ゲーム同好会)に是非ご参加いただけたらと思います。


↓京美同公式Twitter
https://twitter.com/kuvnlovers?s=21&t=nltKegkW1m6t2DxSa5y7YA

 

*1:1996年にLeafが『雫』をリリースし、ビジュアルノベルという言葉が生まれ、現在に至る26年間。

*2:当時の英語版Windowsでは2バイト言語には対応しておらず、 英語版Windows 2000にて2バイト言語を表示させようとするとバグで表示されない。 
1バイト言語:英語やドイツ語など、コンピューターにて256種類にまとめられる言語のこと。 
2バイト言語:日本語や中国語のように文字の種類が多いことから、コンピューターにて1バイトの情報量で表せず、2バイトの情報量で表す言語のこと。

*3:シリーズ内でもニトロプラスが関わっていない作品もある。

*4:美少女ゲームは音響、背景、テキスト、立ち絵で主に構成され、プレイ中は基本的に画面の移り変わりを見ているしかないので、紙芝居と揶揄されることがある。